吹き抜けにネット遊具、ロフトに書斎。遊び心を暮らしの真ん中に置いた1.5階建てのLDKで「上質な暮らし」を
前編:斜めのラインが暮らしを導く。「上質な暮らし」を演出するツートーンの外観が印象的な1.5階建ての家
リビングの吹き抜けを見上げると、そこに白いネットが張られています。子どもたちが寝転び、飛び跳ね、笑い声を響かせる遊び場が、家の真ん中の空中に浮かんでいる——この住まいのLDKは、そういう場所です。1.5階建てという構成を活かし、吹き抜けの開放感、ネット遊具の楽しさ、そしてロフトの実用性をひとつの空間に重ね合わせた設計。家は暮らすための場所であると同時に、家族が思いっきり楽しむための場所でもある。その考え方が、この家のかたちをつくっています。
天井高約4.3mの吹き抜けがもたらす、圧倒的な開放感

LDKに足を踏み入れると、まず天井の高さに驚かされます。リビング部分の天井高は約4.3m。吹き抜けの上部から自然光が降り注ぎ、約20帖のLDKを実際の床面積以上に広く感じさせています。

空間を印象づけているのが、吹き抜けを横切る木の梁です。あらわしになった梁は構造材でありながら、白を基調とした空間の中で温かみのあるアクセントとして機能しています。そしてその梁の間に張られたネット遊具——ここがこの家のいちばんの遊び場です。

リビングの床は大判のタイル貼りで、グレーの落ち着いたトーンに統一されています。黒いスチールと木の踏み板で構成されたスケルトン階段が空間に軽やかさを加え、階段下には浮遊感のある飾り棚が設けられています。無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインの中に、素材の質感と遊び心が同居しているのが、このLDKの魅力です。
ネット遊具が家族の日常を彩る

吹き抜けに張られたネット遊具は、子どもたちにとって最高の遊び場であると同時に、大人にとってはハンモックのようにくつろげる場所でもあります。ネットの上に寝転べば、視線は天井へ、身体は宙へ。下のリビングにいる家族と会話をしながら、光の中でゆったりと過ごすことができます。

ネットは光を透過するため、吹き抜けの採光を妨げないのもポイントです。上から降り注ぐ光がネットの網目を通してリビングに落ち、時間帯によって美しい陰影を描きます。遊び場でありながら、空間の光環境の一部としても機能している——機能とデザインが重なり合う、この家らしいディテールです。

子どもたちの成長とともに、ネットの使い方も変わっていくでしょう。小さいうちは遊び場として、大きくなったら読書やお昼寝のスペースとして。家族の暮らしの変化を受け止める余白が、この空中の遊び場には備わっています。
ロフトは、仕事と収納と遊びを兼ねる多機能空間

階段を上がった先にあるロフトは、この家のもうひとつの重要な空間です。書斎として使えるカウンターが造作され、在宅ワークの場として機能します。吹き抜けを介して1階のLDKとゆるやかにつながっているため、適度に視線を遮って作業に集中しながらも、家族の気配を感じられる、ちょうど良い距離感が保たれています。

ロフトには窓が設けられており、外の緑を眺めながら仕事ができるのも嬉しいところです。さらに、住宅で不足しがちな収納スペースとしても活用でき、暮らしの実用性を大きく高めています。遊び・仕事・収納という3つの役割をひとつの空間が担う——1.5階建てだからこそ実現できた、豊かな中間領域です。

LDKの一角にはパントリーも設けられており、可動棚がしつらえられた収納空間が、キッチンまわりの整理整頓を支えます。ベトングレーのキッチンとブラックのレンジフードは、空間全体のモノトーンの世界観と美しく調和し、生活感を抑えたホテルライクな佇まいをつくり出しています。
大開口の窓が、庭と暮らしをつなぐ

LDKの南東面には、大開口の窓が連続して設けられています。窓の向こうにはタイルテラスと庭が広がり、視線は山並みへと抜けていきます。日中は自然光が室内の奥まで届き、夜は室内の明かりが窓越しに庭を照らし、昼夜それぞれに美しいシーンが生まれます。

引き違いの掃き出し窓を開ければ、LDKとテラスがひとつづきの空間になります。天気の良い日は窓を開け放って庭で遊ぶ子どもたちを見守り、休日はテラスで食事を楽しむ——内と外を行き来する暮らしが、ここでは日常です。
散りばめられた「楽しい」を見つけられる場所
遊び心は、子どもだけのものではありません。ネットに寝転ぶ時間、ロフトで集中する時間、庭を眺めながら料理する時間——この家には、家族それぞれが自分の「楽しい」を見つけられる場所が散りばめられています。開放感と実用性を両立させた1.5階建てのこの住まいは、暮らしを豊かにするのは広さではなく設計の工夫なのだということを、静かに教えてくれます。