巨匠ルイス・カーンが設計した、もはやアートや彫刻のような「ソーク研究所」。

カリフォルニア州サンディエゴ郊外のラホヤに、「ソーク研究所」というもはやアートや彫刻とも言えるような建築がある。この「ソーク研究所」は、近代建築最後の巨匠と言われるルイス・カーンによって設計された。

ピカソを招いてもいいような研究所

ポリオ(小児麻痺)ワクチンの開発者である細菌学者ジョナス・ソークによって開設されたソーク研究所は、多くのノーベル賞受賞学者を輩出し、ノーベル賞の候補に常に挙げられる科学者や新進気鋭の若手の研究者が在籍、研究論文の引用度は世界でもトップレベルの最先端の研究所である。

中央の中庭の入り口には「希望は夢の中や想像力の中、そして恐れる事無く夢の実現に取り組んだ人々の勇気の中にある。」とジョナス・ソークによるメッセージが刻まれている。

ソーク博士は、ルイス・カーンに対して「芸術家のピカソを招いてもいいような研究所」と依頼。1966年に完成したソーク研究所は、中庭を挟んでコンクリート打ち放しのヴォリュームが対照的に配置され、青い海と空に見事に映える建築になった。中庭の先には太平洋の水平線を望み、自然と対比された美しさを持つ。

春分と秋分には水路の向こう側に太陽が沈んでいく。

コンクリートの躯体にチーク材の窓をはめ込み、リズム感とアクセントを生み出している。

普遍的な美しさを持つソーク研究所

純粋なモダニズム建築のように幾何学を用いたデザインだが、太古の昔からある遺跡のようでもあるし、未来にもあり続けるSF映画に出てくる建物のようでもある。ソーク研究所は、普遍的な美しさを持ちその存在は数十年経った今でも色あせることはない。

ソーク研究所は、カリフォルニアやサンディエゴの土地にも非常によく合い、研究所は風通しが良くなるように工夫されている。サンディエゴの眩しい太陽光が差し込んでも、快適に過ごせるように設計されている。

 

巨匠ルイス・カーンによる「ソーク研究所」は、空や海と一体となったアートや彫刻のようで、モダニズム建築というだけではかたずけられない唯一無二の存在感を持つ建築だ。芸術作品のような研究所だからこそ、インスピレーションが湧いて自由な発想で現在でも先端的な研究がなされているのだろう。

Salk Institute for Biological Studies – ソーク研究所

電話:+1 858-453-4100
URL : https://www.salk.edu/
住所:10010 N Torrey Pines Rd, La Jolla, CA 92037, USA