2022年7月1日に湯布院の現代美術館「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」に隈研吾による新館がオープン!

5周年を迎えた「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」が1階にギャラリー3室を増設し、2階オープンギャラリーに2つの大型作品を追加展示する。展示エリアを約2倍に拡大し、作家・作品数も増え、より多くの現代アート作品を堪能できる空間が完成する。

隈研吾が手がける「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」の新館

日本の現代アート作品を展示する本館は、東京オリンピックのメインスタジアムとなった国立競技場の設計でも知られる隈研吾が建築を手がけ、大分県内では初の隈建築となった。湯布院の集落に溶け込む「ムラ」というコンセプトの元に、黒を基調としながらも木の質感を感じる焼杉の外壁が自然と調和すると共に確かな存在感を醸し出す。

美術館の顔となるロゴデザインは、隈研吾とのタッグも多く、無印良品のアートディレクションなどで知られる原研哉が担当している。

小さな水路を隔て敷地は繋がり、2階には彫刻作品が設置される。

新館の建築も、引き続き隈研吾が担当。黒を基調とした外観や豊かな自然を映す水を取り込んだ設計は増築箇所にも生かされている。新たな展示に名を連ねるのは、草間彌生、宮島達男、名和晃平、森万里子といった日本の現代アート界の最先端で活躍する作家たち。さらに、村上隆、杉本博司作品は一部展示替えを行う。

ここでしか味わえない特別な体験を生み出す

 

既存の展示エリアは、水盤を隔てガラス越しに向かい合う1階の2つのギャラリーと、眼前に由布岳を望む2階のオープンギャラリーで構成されている。豊かな自然の中で作品と向き合う時間は、ここでしか味わえない特別な体験を生み出す。

1階には水盤越しに向かい合う2つの美しいギャラリーがある。

© Yoshitomo Nara 2017

2階のオープンギャラリーには奈良美智の「Your Dog」を展示。

ギャラリー間は四季を感じる外廊を通って移動する。

簡易宿所「COMICO ART HOUSE YUFUIN」

また、2021年10月には隣接する簡易宿所「COMICO ART HOUSE YUFUIN」がオープン。

土棟(定員4名様)、竹棟(定員2名様)それぞれ1棟貸し、露天風呂、庭付きとなる。

緑豊かな庭と一体になる心地よい空間。

1棟貸しで露天風呂、庭付きの本施設は温泉地・湯布院におけるプライベート別邸として、訪れる皆様に特別な時間と癒しを提供する。

一新した「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」は、これまで以上の感動を与える美術館となる。湯布院という小さいながらも他にはない魅力を持った温泉保養地で、豊かな自然と共にアートとゆっくり向き合う時間を過ごすことができる。

「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」とは!?

また、この「ゆふいん」という土地は、「由布院」と「湯布院」ふたつの漢字表記を持っている。

「由布岳」に象徴されるように、元来この土地は「由布」という名前を持っていました。のちに市町村合併により湯平村と統合し、その漢字を一字取って「湯布院町」と名付けられました。そのような歴史から「由布院」と「湯布院」のふたつの名前が混在している。

当館では、元々の「ゆふ」という場所に「入る(IN)」という意味も込め「YUFUIN」と、あえてローマ字表記での美術館名としました。小さな町の名前ひとつにもこのような歴史がある。

「豊かな社会の実現に向けた取り組み」の一環として生まれた「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」が、芸術を生み出すクリエイターにとってはコミュニケーションのプラットフォームとして、訪れる方々にとっては高水準の芸術を共有できる文化の場になる。