イギリス・ロンドンの大英博物館にある「グレートコート」で、古典建築とハイテク建築の融合を見る。
約800万点の収蔵数と常時展示数15万点を誇るイギリス ロンドンにある世界最大の博物館、大英博物館には毎年約500万人もの人々が訪れます。
「香港上海銀行・香港本店ビル」「ロンドン市庁舎ビル」「アップルパーク」などの有名建築物のデザインを手掛け、メリット賞、プリツカー賞を受賞したイギリスの名だたる男爵建築家、ノーマン・フォスターが2001年にリノベーションした大英博物館のエントランス「グレートコート」が訪問する人々を迎え入れます。
博物館の重要な場所の改修を任されたノーマン・フォスター
元々、「グレートコート」があった場所は旧大英博物館図書館の中庭兼機械置場でした。来館者は暗くて狭い玄関ホールを抜けて広い中庭を通過し、大英博物館の展示室へ向かわなければなりませんでした。来館者が多いので狭い空間をリノベーションする必要があった上、増えていく収蔵数の問題を解決すべくノーマン・フォスターはエントランス空間をコンバージョン、リノベーションして「グレートコート」を作りました。
広場ができたことにより来館者は自由な動線を得ることができ、各展示室に向かいやすくなりました。今まで一般人が利用することができなかった専門図書館も一般図書館に変更され、その外側の廻りには重さに耐えるための楕円形のヴォリュームが増築されました。ほかにも「グレートコート」の中にカフェ、レストラン、ミュージアムショップとしてのサービス機能を持たせることで来訪者の休憩場所・集合場所としても利用されています。また中庭の地下空間は美術教育センターとなり、イベントなどにも活用されています。
ヨーロッパ最大の屋根付き広場
「グレートコート」は19世紀に作られた円形閲覧室を中心に約57,000万平方メートルの広大な広さとなっており、3,000枚ものガラスが天井を覆います。古典建築の中庭をガラスの屋根で覆うこの形式のリノベーションは良く見られる構造で、新旧の対比を上手く表現しています。ノーマン・フォスターは天井から自然光を取り入れることにこだわりがあったため、「グレートコート」も同様の設計にしたと考えられます。
「グレートコート」を抜けると一日では見切れないほどの展示品があります。
ローマ時代の展示室も広くて見切れないほどです。
日本の展示室も人気です。
「建築は世の中をよくする」を信念に、建築物を再生していく
「モダニズムのモーツァルト」「ハイテク建築のパイオニア」「ハイテク建築の御三家の一人」と称されているイギリスの名建築家、ノーマン・フォスター。コンピュータ設計を中心にハイテク技術を駆使し、歴史的な建造物に明るいイメージを取り入れ、環境を配慮しながら再生する手法で多くの建築物を蘇らせています。
「グレートコート」で大英博物館の過去と現代の融合を垣間見る
この「グレートコート」は大英博物館にとって250周年の大規模なコンバージョンとリノベーションの一つでした。「グレートコート」に足を踏み入れたら、大英博物館の過去と現代の融合を肌で感じることができることでしょう。
大英博物館
住所: Great Russell St, London WC1B 3DG イギリス
営業時間:10:00~17:00(金曜日のみ20:30まで)
URL:https://museuoscarniemeyer.byinti.com/#/event/museu-oscar-niemeyer-mon-77440