NHK大河ドラマ「真田丸」の題字を手掛けた左官技能士・挟土秀平のこだわりとは?

毎週月曜日に2週に渡ってゲスト対談をしている福岡のラジオ放送CROSS FM「ライフスタイルメディア #casa」。今回は左官技能士・挟土秀平氏をゲストに迎えた2週目。日本中で話題となった挟土の作品「NHK大河ドラマ・真田丸」の題字について、裏話やデザインの意図など深く解説していただいた。

挟土秀平が手掛けたNHK大河ドラマ「真田丸」の題字

日本だけでなく世界中から注目を集める左官技能士、挟土秀平。彼の活動は左官という枠に囚われず、その建築技術をアートに昇華している。NHK大河ドラマ「真田丸」の題字を手掛けたことでも知られ、業界問わず世間へも認知が広がったことは言うまでもない。

3m×6mの巨大壁面に赤土を塗って一発書きをしたという「真田丸」の題字。「真田の身に着ける赤い甲冑=赤土」の意味を込めた掛け合いも絶妙だ。しかし一発書きといえども、相手は赤土。左官が使う鏝で抉りながら書くのは、簡単なことではない。挟土氏は当時の製作を思い出し「どうしたら書道のようなタッチになるのか、鏝遣いが難しい」と話した。

ドラマ制作者と挟土氏の化学反応で生まれた傑作

挟土氏は真田丸の出来上がりについて、裏話とも言えるエピソードを話してくれた。実のところ彼は「次もう1回書いたらもっと上手く描けると思った」という。そのため依頼者に何度も頼んだが、その返答は「NO」だった。

なぜならこの「一発書き」に、NHKドラマ制作者側の熱いこだわりがあったのだ。「真田丸」というテーマに合わせて「一発という伝説が欲しい」というもので、この想いを受けた挟土氏も納得。「物語性」の貴重さを「物語を作る」彼らが大切にするその想いに心打たれた。

一方で依頼者の「NO」を説得し、挟土がこだわったデザインもある。それは「真田丸」の題字周りにある粒のような装飾デザインだ。この特徴的なデザインは、土台の赤土に泥をぶつけることで生まれる。挟土氏はこの装飾を「グニュっとした自然現象」と話し、これがCGではなくアナログで起きていることが見せたかったという。

伝統的な技法・土壁の存在を現代に示していくこと

伝統的な技法が再注目され土壁が再び使われることが増えた昨今。しかし、その背景について挟土氏は「伝統的なものが現代に生き残るのは本当に難しい」と答えた。

確かに、伝統ある技法やデザインだからこそ、そのままの形で現代の空間へ当て込み、現代の人々に好まれ続けることは容易ではないように感じる。

実際に挟土氏は「土壁が公共の場で登場していくというのは、どこかで復活の種をまいていくこと」と語り、その上で「時代の中で存在していくには、かっこよくないと」と話した。その想いは、真田丸の「グニュっとした自然現象」装飾にも感じられる。現代に土壁の存在を示していく上で、あの装飾は必要不可欠だったのだろう。

挟土秀平の「LIFE IS ◯◯」

ライフスタイルメディア #casaのインタビュー対談最後には、ゲストにそれぞれの「LIFE IS 〇〇(人生とは)」を尋ねる。その質問に対し、挟土氏は「nature」と答えた。大自然の中からいろんな素材を採取して創り出すスタイルを大切にしている挟土氏。前週回の話を聞いていればその理由は聞くまでもなく、納得だろう。

 

毎週月曜日に2週に渡ってゲスト対談をしている福岡のラジオ放送CROSS FM「ライフスタイルメディア #casa」。左官技能士・挟土秀平氏をゲストに迎えた前週回については「世界中から注目を集める左官技能士・挟土秀平が語る、大切にしている場所とデザイン」からどうぞ。

【5/18】挟土秀平さん(左官技能士)