2017年も大盛況のミラノサローネの家具のトレンドは「ベーシック」と「クラシカル」!

今年も、イタリア・ミラノで行われた、ミラノサローネ(ミラノ国際家具見本市)は世界各国約165ヵ国から来場者が集まり賑わいをみせた。#casa 編集部の視点から観たミラノサローネの家具のトレンドを紹介する。

今年の家具のトレンドは「ベーシック」と「クラシカル」。

今年のミラノサローネのトレンドは「ベーシック」。奇抜なデザインではなく、曲線や丸みの帯びたフォルムに、さりげなくデザインが施された物が多く見られた。家具に使われる色彩も、柔らかみの暖かいカラーバリエーションが会場を彩る。

変動の大きい世界時代は安定感や安息感を求めるかように、クラシカルでベーシックなもの向かう傾向があるようだ。今回のミラノサローネはファブリックにも注目が集まり、最新技術を駆使したものから他分野の技術を取り入れた物まで ベーシックな中に遊び心や、新しい試みを取り入れたものも多く見られた。

代表的な作品をベースに現代の創造性をプラスした展示の「vitra(ヴィトラ)」。

ここで日本人にも馴染みのある代表的な2つの家具ブランドのトレンドをご紹介したい。

一つ目はスタイリングの提案力が世界中から高く評価されている、名門家具メーカー「vitra(ヴィトラ)」。ネルソン・クロックやパントンチェアといった代表的な作品を世に送り出してきた。

今回のミラノサローネの展示でも代表的な作品をベースに、ロナン&エルワン・ブルレックやヘラ・ヨンゲリウスなど現在のデザイナーの融合し新たな作品を展示。小物やファブリックの展示もあり、空間にアクセントとプラスαの楽しみを提案。

ヴィトラについてはこちらを参考に。

独特の家具と建築が出迎える!ヴィトラの本社・工場「ヴィトラ・キャンパス」を訪問!

エレガンスな「Kartell(カルテル)」。

ミラノサローネを主催するイタリア家具工業会社の新社長に、CEOであるクラウディオ・ルーティー氏が就任したことでも話題を呼んだプラスチック家具メーカーのパイオニア「Kartell(カルテル)」。

プラスチックが生み出すエレガンスとさまざまな趣向を融合したスタイルは、最高峰の素材配合・生成技術と様々なデザイナー達の創造性から生み出される。

今年のカルテルは “エレガンス” 。“エレガンス”とは、優雅、上品、優雅なものという言葉の表現だけではなく、様々な要素が融合され、パーソナライズができ自由でオープンで緩やかであること。

フェルーチョ・ラヴィアーニ氏が手がけた展示会場は、トレンドであるクラシカルにコンテンポラリーを併せもち、まるでギフトボックスのよう。ベージュのラグや、ビロードのカーテンなどトレンドが反映された柔らかい色彩や素材が使用されている。14のステージには銅の額縁に大理石をラミネート。優美さにポップなプラスチックが遊び心を加える。

 

今回のサローネには奇を衒うのではなく成熟した、おだやかでタイムレスなデザインが目を楽しませてくれた。ファストファッションやファストファニチャーが世の中を席巻する中で原点回帰した家具は私たちに一考の機会をもたらした。