小大建築設計事務所が運営する一畳十間によるシンプルモダンな空間に織り交ぜられた和の設えが安らぎを添える「内湯のある家」

無印良品やPOLAなどの店舗デザインや、宿泊施設、個人宅の住宅設計まで、日本と上海を中心に幅広いプロジェクトを手掛ける小大建築設計事務所が運営する一畳十間。「日本の心地の良い美がある暮らし」をテーマに活動する彼らが手掛けた「内湯のある家」は、約86㎡の敷地に散りばめられた和の要素が日々の暮らしに安らぎを添える住まいです。

あたたかな光が満ちるコンパクトな玄関

コンパクトなスペースにあたたかな灯りが満ちる玄関。カーペット敷きの室内は高級ヴィンテージマンションのような落ち着いた雰囲気です。籠り感のある玄関は奥に広がる空間への高揚感に繋がり、自然と足が進みます。

散策路のような廊下

突き当たりまで一直線で見通せる長い廊下。奥の窓から溢れる光が、新しい景色への広がりを期待させます。こちらの廊下をベースに、その時々の用途や気分で散りばめられたスペースに向かう、暮らしの自由を感じさせる散策路のような空間です。

空間に溶け込む内湯

この住まいの顔とも言える内湯は、空間の中央に配されています。四角くくり抜かれた窓からは浴室の様子が伺え、建築の中心部にある水回りながら空間にうまく溶け込んだ印象となっています。

窓からの柔らかな光も差し込む、心地の良いバスルームです。

1日の始まり、そして終わりに緊張を解き放ち心身を整える、リフレッシュのためのスペースです。

あたたかでモダンなダイニングキッチン

珪藻土による凹凸のある壁面が、あたたかな印象を与えるキッチン。ウォームカラーで統一された空間は家族団欒のひと時を優しく包みます。

和の要素を取り込んだモダンな雰囲気の中では、食器や調理器具もアートピースのように存在感が引き立たれます。

コンパクトなダイニングには円形のテーブルを配することで、ゲストの増減にも対応しやすい作りに。

大きな窓から広がる光が柔らかく空間を満たす、生活の中心とも言える場です。

気兼ねなくくつろげる茶の間

卓袱台が配された茶の間。家族はもちろんゲストとも穏やかな時間が楽しめる空間です。

キッチンカウンターの腰壁は収納と飾り棚として活用。キッチンの正面に位置する茶の間でもテーブルを卓袱台にすることで視線が低くなり、水周りの生活感が隠せる効果もあります。

シンプルで静寂な寝室

シンプルな寝室は眠りに向き合う時間として、心身との対話を生み出す静寂な空間です。

シンプルモダンの中に散りばめられた和の要素が安らぎを添える住まい

コンパクトな敷地にもかかわらず、暮らしに安らぎを添える要素が詰まった「内湯のある家」。空間に散りばめられた和の要素の数々が、何気ない日常の中で豊かな瞬間を生み出すきっかけとなるようです。