安藤忠雄設計の「TIME’S」に国内初の建築ツーリズム拠点「京都建築センター」開設。
2026年8月、京都市中京区に、建築を切り口に街を知り、楽しむための新たな文化拠点「京都建築センター(KYOTO ARCHITECTURE CENTER)」が開設しました。場所は、世界的建築家・安藤忠雄が設計した複合施設「TIME’S」の路面フロア。建築ツアーをはじめ、展覧会、ライブラリー、ショップ、ガイド養成講座などを展開する、建築ツーリズムの拠点です。
新旧の建築の宝庫・京都に生まれる「京都建築センター」

京都には寺社仏閣をはじめ、近代建築や戦後のモダニズム建築、現代を代表する建築家たちの作品まで、さまざまな時代の建築が街の中に点在しています。「京都建築センター」は、それらを単なる観光名所として見るのではなく、建築を通して街の歴史や文化、人々の暮らしを読み解くきっかけをつくります。運営する合同会社まいまいによれば、建築ツアーを中心に展示、ライブラリー、ショップなどを備えた建築ツーリズム拠点としては国内初となる取り組みです。
安藤忠雄が手がけた「TIME’S」が建築文化の発信拠点に

「京都建築センター」が入居するのは、京都の中心部を流れる高瀬川沿いに建つ安藤忠雄設計の「TIME’S」です。建築そのものに足を運び、その空間を体験することから京都の建築文化に触れられるという点でも、建築センターにふさわしい場所と言えるでしょう。

京都は、長い歴史のなかで形成された寺社や町家だけでなく、近代以降にも数多くの優れた建築が生み出されてきた都市です。しかし、それらの建築はひとつの施設の中に集められているわけではありません。京都の街そのものが巨大な建築ミュージアムであり、実際に歩きながら建築を訪ねることで、それぞれの作品と街との関係が見えてきます。「京都建築センター」は、その街へと人を送り出す入口として機能します。
ツアーから展示、ライブラリーまで建築を多角的に楽しむ

京都建築センターの中心となるのが、専門ガイドとともに京都の建築を巡る建築ツアーです。ただ建物の外観を見るだけではなく、設計者の思想や建築が生まれた時代背景、街との関係などを知りながら歩くことで、普段何気なく通り過ぎている風景にも新しい発見が生まれます。
施設内には建築文化に関する展覧会を開催するギャラリーのほか、建築書籍や資料を閲覧できるライブラリー、建築関連の書籍やグッズを扱うショップなども設置されます。ライブラリーでは「まちと建築を楽しむ建築家の本棚」をコンセプトとして、建築家ら約20組が選んだ書籍を収蔵・展示する予定です。
さらに、建築を社会へ伝える人材を育てる建築ガイド養成講座や、講演会、セミナー、交流イベントなども開催。建築を見る人を増やすだけでなく、その面白さを伝える担い手まで育てていこうという点が、この施設の大きな特徴です。
建築を専門家だけのものにせず、旅行者や地域住民も気軽に楽しみ、語り合える文化として街へ開いていく。「京都建築センター」は、建築と人との距離を縮めるプラットフォームを目指しています。
グランドオープンでは「TIME’Sと安藤忠雄」をテーマにした特別展を開催

2026年8月5日からは、建築ツアーの受付やショップ営業、「京都モダン建築祭」のパスポートやグッズの販売などがスタートしました。そして9月2日には、ギャラリーやライブラリーを含めたセンター全体がグランドオープンする予定です。
その幕開けを飾るのが、オープニング特別展「時がかたちづくる建築 -TIME’Sと安藤忠雄-(Time-Shaped Architecture: Tadao Ando and TIME’S)」です。
建築センターが入居する「TIME’S」そのものをテーマに、人、自然、建築の関係性を改めて見つめ直す展覧会となります。建築について展示で学んだ後、その展示の舞台である建物そのものを身体で体験できるという構成は、「建築を見る」という行為をより立体的なものにしてくれそうです。
また、施設の空間設計は、2025年大阪・関西万博の「休憩所4」を手がけたMIDW architects(服部大祐+服部さおり)とstudio arche(甲斐貴大)が担当。安藤忠雄による既存の「TIME’S」を生かしながら、新たな建築文化の発信拠点として整備されています。
京都の街全体を「建築」という視点から巡る新たな旅へ
京都建築センターを運営する合同会社まいまいは、これまで「まいまい京都」を通じて年間2,000本以上のまち歩きツアーを実施してきました。また、「京都モダン建築祭」をはじめ、「神戸建築祭」「東京建築祭」の立ち上げや事務局運営にも携わり、普段は公開されていない建築を一般の人々へ開く取り組みを続けています。
安藤忠雄設計の「TIME’S」から京都の街へと出発し、再びここへ戻って建築について語り合う。「京都建築センター」の誕生によって、京都観光に「建築を巡る」という新たな選択肢がより身近なものになりそうです。
京都建築センター(KYOTO ARCHITECTURE CENTER)
所在地:京都市中京区三条通河原町東入中島町92 TIME’S 路面フロア
開館時間:10:00〜18:00
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日休館)
運営:合同会社まいまい
開設:2026年8月5日
グランドオープン:2026年9月2日予定
空間設計:MIDW architects(服部大祐+服部さおり)、studio arche(甲斐貴大)