エプロンブランド「DRESSSEN(ドレスセン)」ディレクターの後藤順一が語るエプロンと暮らし。
毎週月曜日にゲスト対談をお届けしている福岡のラジオ放送CROSS FM「ライフスタイルメディア #casa」。今回のゲストはエプロンブランド「DRESSSEN(ドレスセン)」ディレクターの後藤順ー氏。今絶大な人気を誇るエプロンブランドDRESSSENの誕生秘話、そのメッセージのこだわりとは一体?デザイン、そしてディレクター後藤氏本人のライフスタイルまで深く掘り下げて話してくれた内容は必見だ。
後藤順一とは?
エプロンブランド「DRESSSEN(ドレスセン)」のディレクター。フードコーティネーターとしても活躍中。
趣味でコレクションしていたエプロンをフードコーディネーターになるための料理学校で着用していたところ、先生・同級生から評判があったことからエプロンデザインについて興味を持ち始めたという。
実際に今までの経歴を辿りながら「エプロンのコレクションを集める中で、希望の形のものを自分で作ろうと思った」と話してくれた。つまりそれが「DRESSSENの原点であり、DRESSSENエプロンの形」だったのだろう。
ファッション業界暦22年を経て、フードコーティネーターとして活動を続けた彼だからこそ作り上げられる「メッセージデザインが特徴的なエプロン」は、縁があってなるべくしたとも言えるデザインだ。
エプロンブランド「DRESSSEN(ドレスセン)」
2015年から後藤順一がスタートさせたエプロンブランド「DRESSSEN(ドレスセン)」は、“let’s change an apron”をコンセプトに「ファッションの観点から“着替えるエプロン”」を提案している。
後藤順一が考える様々なメッセージがプリントされたエプロンは、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で新垣結衣が着用したことでも話題が沸騰。雑誌でジャニーズグループの嵐が着用するなどメディアでも多く取り上げられている。
DRESSSEN立ち上げのコンセプトとは?
DRESSSENというブランドを考えるキッカケになったのは、後藤氏自身が料理と関わる中で「男性が使えるエプロンは無地のものが多い」と感じたことが最もの始まりだ。当時、後藤氏はエプロンの胸部に何も書いていないのが勿体無いと思ったという。
「ポジティブなメッセージが書いてあったら、着る人も見る人も楽しくなるのではないか?」という想いから、デビュー作で絶対に発表しようと決めていたという最初の商品には、最高にポジティブな言葉「YES」を起用した。
「暮らしの中で大切にしているデザインは何か?」という司会者の質問に対して「シンプルでありながら作者の思いや温もりが感じられ、使う人に対して一生懸命に考えられたもの」と答える後藤氏。そんな彼が実際に考えるエプロンは、男性でも使いやすいシンプルなベースに、メッセージを載せるというデザインだ。その裏側には「このエプロンを通して、仕事場でよりお客様と会話が始まれば」という彼の経験と想いが込められている。
DRESSSENエプロンに載せるメッセージ。その言葉選びのこだわりは?
言葉選びについての質問に対し、まず「シンプルで読みやすくハッキリと誰でも読めるように、フォントは、全てDRESSSENオリジナル」と話す後藤氏。その一言目から彼がどれだけこのメッセージデザインにこだわり、作り込まれているかが感じられる。
メッセージの内容は単語で一瞬で読み取れるよう、文章にならない形と決めて作られており、どれもシンプルな言葉選びが特徴的だ。
中でもフードコーディネーターとして料理を提供する側としての気持ちが強いメッセージには「TRUST ME」、新垣結衣の着用でも有名な「YES GOOD JOB」の名を実際に挙げてくれた。
これらを含め全ての商品のメッセージロゴは「いただく側・提供する側を思い浮かべて制作している」という。
そしてその両者には男性女性は関係なく、だからこそDRESSSENらしいシンプルで使いやすいユニセックスなデザインが誕生したのだろう。
ドラマ「逃げ恥」新垣結衣着用のエプロン、その後の影響
ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で新垣結衣が着用し、更に話題が沸騰したことでも知られるDRESSSENのエプロン。実際にその反響について後藤氏は「料理の時だけでなく、家事全般でエプロンをつけるという意識が色々な人に伝わった」と話す。
演者が洗濯・掃除などでもエプロンを着用する姿を通し、料理業界だけでなく様々な用途での声がけが増えたことが印象的でだったという。更に女性だけでなく「男性からのお買い上げが増えたこと」も嬉しい反響の1つと挙げた。
後藤順一、そしてDRESSSEN。今後の活動をデザインの変化と共に考える
暮らしのデザインが日々変わっていくと思うが、自身の活動は今後どのように変わっていくか?問い。それに対して後藤氏は「今後、建築や空間のデザインはシンプルに変わっていくのではないかと感じている」と切り出しながら、デザインについてDRESSSENの実例を加えながら説明をしてくれた。
「いい意味で無駄な部分が取り除かれ、様々な方が気軽に使える居心地の良い空間やシンプルだけど分かりやすい場が増えるのではないか?」
そう考える後藤氏は、DRESSSENも「飽きのこない長く愛用してもらえる商品作り」と「洗練されたシンプルなデザイン追求」そして「金具を使わない仕様」を特徴としており、これからも続けていきたい意向だという。
なぜ金具を使わない仕様にこだわるのか。その理由は、金具の劣化や故障によって商品を使うのを終えて欲しくないからだ。人々が「効率的」と考えるアイテムであっても、後藤順一にとっては「シンプル」という機能性には繋がらなかったのである。
後藤順一のライフスタイルは「海」と「旅」がキーポイント
伊豆出身の後藤氏の休日は海でサーフィンがスタンダード。「休日に過ごす海が大好き」「海は海の中から見る山々の色や風の匂い、太陽の位置から四季を敏感に感じられる場所で心地良い」と語る後藤氏の口調はとても軽やかで、彼にとってどれほどに大切な存在なのかがわかった。
もう1つ、彼が大切にしていることが「旅」を続けることだ。働き方に変化を見せる昨今、どこにいても仕事ができるようになってきている環境の変化は、後藤自身も深く感じている。
後藤氏は昔からアメリカを車で旅をすることを楽しんでいたこともあり「車で国内を旅しながら宿泊先で仕事をしたい」と述べ、その理由にはDRESSSENの商品作りも深く関わっていた。
後藤順一の「LIFE IS ◯◯」
このインタビュー対談では、毎週ゲストにそれぞれの「LIFE IS 〇〇(人生とは)」を尋ねるのがお決まりだ。そこで後藤順一が返した答えはもちろん「LIFE IS 旅」。旅することは後藤順一の大切なライフスタイルでもあるが「旅をするとアイデアがたくさん浮かぶ」という後藤氏にとって、旅はDRESSSENの商品作りにも欠かせないエッセンスの1つだ。
実際に、今のDRESSSENの商品もたくさん旅をして得たアイデアが形になっているらしい。だからこそ彼は旅にこだわり、動きながら仕事をすること重要視しているのだ。
「今後も人生の中でたくさんの旅をしてどんどん良い商品を出していきたい。」と締めた後藤順一氏。彼が旅の中で浮かぶポジティブなメッセージを胸に、料理だけでなく家事、更には仕事を楽しむ人々の顔が浮かんだ。