深海のようなブルーに包まれたラグジュアリーな空間リカルド・レゴレッタの「カミノ・レアル・ポランコホテル」

メキシコ建築の旅はまだまだ続く。メキシコを代表する建築家で忘れてはいけない人物がもう一人いる。

ルイス・バラガンやフェリックス・キャンデラ以降のメキシコの巨匠「リカルド・レゴレッタ」。

斬新なオブジェや格子など現代的感覚とメキシコの伝統文化を融合する建築家として知られている。大胆な色の表現、大きな空間を使った人々が集うパティオなどメキシコの伝統的なライフスタイルが建築物に投影されている。また、リカルド・レゴレッタは2011年に高松宮殿下記念世界文化賞を受賞している。

メキシコ以外でも活躍し、約200余りの作品を残した巨匠リカルド・レゴレッタの「カミノ・レアル・ポランコホテル」を訪ねてみた。

メキシコの風土と現代のデザインを融合した建築物。

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「カミノ・レアル・ポランコホテル」の場所は閑静な住宅街から近いポランコ地区の外れに位置し、ひときわ目立つピンクの外壁に目を奪われる。

ピンクの格子と黄色の玄関、青い空をバックにした泉に映る爽やかな色彩がインパクトを放ち、当時のモダニズムの美学だけでなくメキシコの風土を映した建物だ。

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1968年にメキシコオリンピックの年に開業した「カミノ・レアル・ポランコホテル」のロビーには、ルフィーノ・タマヨの壁画、マーシャル・ゲーリッツの作品など、有名なアーティストの作品が出迎えてくれる。現在もラグジュアリーホテルとしてメキシコ・シティでは有名だ。

バラガンも多用したメキシコでは馴染み深い色彩を使いながら現代的な建築をデザインしていたリカルド・レゴレッタらしい作り方になっている。

40年程経ったとは思えないほどの最先端デザイン。

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エレベーターで上がると吹き抜けになっているので、どの階からもブルーラウンジが見える構造になっている。

ゆったりとしたエントランスホールにゴージャスな雰囲気のブルーラウンジ。

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青い壁で囲まれた文字通りブルーラウンジはとてもラグジュアリーな空間。外観よりも中に入った方が、広く感じる。ブルーラウンジの中心にはプールがあり、それを囲むようにピラミッドの形をした部屋が並ぶ。

コルビジェと並ぶ、モダニズム建築の代表的な建築家「ミース・ファン・デル・ローエ」のバルセロナチェアや、バウハウスの家具の代表「マルセル・ブロイヤー」のヴァシリーなどエレガントな家具が使われている。

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ホテル自体もゴージャスだが、噴水がありどこかメキシコらしさをもっているラグジュラリーな空間は、音を分散させる建築がほどこされブルーの色と融合し静寂な雰囲気が漂う。

 

ルイス・バラガンの影響を受けたリゴレッタの遊び心が詰まった「カミノ・レアル・ポランコホテル」。是非、メキシコを訪れた際は訪れてみて欲しい。