目指したのは伝統美だけじゃない。最新テクノロジーを採用した「casa amare(カーサ・アマーレ)」。

「casa amare」は、「愛すべき日本の家」をコンセプトとした商品住宅。日本の美の原点である「大和美」を用いたり、最新技術を注ぎ込んでコストパフォーマンスを追求したり、シンプルで美しく、強い家を目指した。

そんなcasa amareには、伝統美と最新技術が融合している。どのようなところに現代の最新テクノロジーが用いられているのか、見ていこう。

木組みの美しさを追求

casa amareでは、木組みが美しく見える「木造軸組工法」を採用。その美を活かすためには、木と木をつなぐ金物を表に見せるわけにはいかないため、「ハラテック21」という骨組みをつなぐ金物を採用した。

「ハラテック21」は金物全体が構造材のなかに隠れるようになっているため、casa amareの柱や梁には金物は見えない。よく見ると、構造材に5ミリたらずの薄い隙間が設けてある。

もともと「ハラテック21」は地震に対する安全性の向上と、住宅の耐用年数を長くすることを目的として開発された金物。従来日本の家づくりにおいて金物が使われることはなかったが、阪神大震災などをきっかけとして、法律で厳格に耐震精度が求められるように。裏付けのある強度の数値を持った金物が使用されるようになった。

耐震性と耐久性

軸組の耐震性及び耐久性を向上させることで、木造建築の長寿命化を目指したのが「ハラテック21」。材質には、20世紀最大の「鋳鉄」の発明と呼ばれる「ダクタイル鋳鉄」が使用されている。

鉄よりも硬度衝撃に強く、錆びにくいという性質も持ちあわせている。自動車の主要な動力パーツの素材として使われるほど、重宝されているものだ。

加えて、「ダクロタイズド」という特別な表面処理が施されているため、錆による内部までの腐食は起こさないことが実験で明らかにされている。

世界トップクラス

ダクタイル鋳鉄は、新幹線のレール下の薄い板にも使われている。新幹線は、地震に例えると震度7以上の衝撃を与えているが、その衝撃を吸収しているのがダクタイル鋳鉄なのだ。

これだけの高性能であることからコストは当然高くつくが、家一軒で考えるとその違いは十数万円。長期の安全を約束することを考えれば、決して高い買い物ではないだろう。

また、ハラテックには柱や梁などを組み合わせ接合した後、引き寄せ金具で締め付ける機能がついていることも特長。部材同士を密着させ、隙間を生じさせないようにして強固な緊結が生み出されている。

窓は、内障子とペアガラス

外光を柔らかく取り込む内障子は、日本の建築文化の象徴とも言える内装デザインだが、実は、その日本的な情緒性以上に優れた断熱性も発揮。

22mmのペアガラスと組み合わせることで、インテリアとしての美しさと高断熱を同時に実現する。

床材は、30mm厚の杉の無垢板

材質が柔らかく保温性や調湿性にも優れた杉材は、建築材料の定番。30mm厚の無垢板は、素足で歩くとその柔らかさを実感できる。

また、最近では、その殺菌能力や脱臭能力から、シックハウス症候群などにも無縁の健康建材として注目されている。

内壁は、呼吸する最新素材「モイス」

「モイス」は、バーミキュライトと珪藻土などの天然素材からできた多孔質の内装材。

室内の湿度が高くなると湿気を吸収、湿度が低くなると湿気を放出して湿度を調整し、カビやダニの発生を抑えるばかりでなく、化学物質吸着機能や消臭機能できれいな空気を作る。

屋根は、耐摩擦塗装ガルバリウム鋼板

最も風雨に曝される屋根材には、優れた耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性で評価の高いガルバリウム鋼板。北海道などでも採用されている耐摩擦塗装を施したものを使用。ほぼメンテナンス不要の屋根材が、いつまでも住まいの美しさを保つ。

伝統美と最新技術が融合

casa amareはその美しさに注目されがちだが、それ以上に注目してほしいのが多く取り入れられている最新技術。普通では気づかない、そして見えないようなところに散りばめられている工夫に驚かされる。

その技術を主張するわけではなく、日本建築の美しさを残したまま採用している点に日本人らしさをも感じることができる。