吹き抜け×天窓×スリット窓。「casa cube(カーサ・キューブ)」が空間を広く、明るく見せる3つの設計トリック
「casa cube(カーサ・キューブ)」の外観を見たとき、多くの人が最初に感じる印象は「窓が少ない、閉じた家」です。しかし実際に室内に足を踏み入れると、その印象は大きく覆されます。天井まで広がる吹き抜け、頭上から降り注ぐ自然光、壁に走るスリットから差し込む光のライン——外観からは想像もできないほど、室内は明るく、広く、開放的です。
いったいなぜ、窓の少ない家がこれほどまでに明るく感じられるのでしょうか。その秘密は、光の取り入れ方と空間の見せ方に関する、3つの設計の工夫にあります。
トリック1 吹き抜けが生む「縦の広がり」

casa cubeの室内空間で、まず目を引くのが吹き抜けです。1階と2階の床を取り払い、上下をひとつにつなげた吹き抜け空間は、視線が縦方向に抜けることで、実際の床面積以上の広がりを感じさせてくれます。

吹き抜けの効果は視覚的な広さだけにとどまりません。1階にいながら2階の気配を感じられる一体感は、家族のコミュニケーションを自然に生み出します。子どもが2階の子ども部屋にいても、リビングの声や音が届く——そんな、家全体がゆるやかにつながる暮らし方を実現してくれます。

また吹き抜けは、上部に設けた天窓からの光を1階まで届ける「光の通り道」としても機能します。縦に伸びた空間が、光と風の循環を助けてくれるのです。
トリック2 天窓の採光効率は掃き出し窓の約3倍

casa cubeが採光のために活用しているもうひとつの仕掛けが、天窓(トップライト)です。天窓は水平面に設置されるため、垂直面に設置する一般的な窓に比べて、はるかに効率よく光を室内に取り込むことができます。その採光効率は、同じ面積の掃き出し窓と比べて約3倍ともいわれています。

外側から見ると窓がほとんどないように見えるcasa cubeが、室内では驚くほど明るく感じられる最大の理由が、この天窓にあります。空からまっすぐ降り注ぐ光は、時間帯や季節によって表情を変えながら、室内に豊かな陰影をもたらします。まるで美術館やギャラリーのような、質の高い自然光に満ちた空間が、日常の住まいの中に生まれるのです。

さらに天窓は、熱い空気が上に溜まる性質を利用したパッシブな換気にも貢献します。夏の夜に天窓を開けると、室内の暖かい空気が上へと抜け、自然な空気の流れが生まれます。光だけでなく、風の通り道としても機能する一石二鳥の開口部です。
トリック3 スリット窓が描く「光のライン」

casa cubeの外観を特徴づける縦のスリット窓は、単なるデザイン上のアクセントではありません。室内に細く鋭い光のラインを描き込む、光の演出装置でもあります。

一般的な横長の窓が「景色を見るための開口部」であるとすれば、スリット窓は「光そのものを楽しむための開口部」といえます。時間帯によって壁に映る光のラインの角度や幅が変わり、朝昼晩で異なる表情を室内に生み出します。それはまるで、自然光が室内に描く絵画のようです。

スリット窓の有効開口幅は約11.3cmに設定されており、人が入れない防犯上の安全性を確保しながら、採光とデザイン性を両立しています。窓を減らすことで壁の強度を保ちながら、必要な光をスリットで補う——このバランスの取り方にも、casa cubeの設計の合理性が表れています。
3つの要素が組み合わさることで生まれる空間体験

吹き抜け・天窓・スリット窓、それぞれが独立した工夫である一方、この3つが組み合わさることで、casa cubeの空間体験はより豊かなものになります。

吹き抜けが縦の広がりをつくり、天窓がそこへ光を落とし、スリット窓が壁に光のラインを刻む。異なる方向から、異なる質の光が室内に届くことで、単純に「明るい」というだけでなく、奥行きと立体感のある空間が生まれます。外観のシンプルさとは対照的な、豊かで複雑な光の世界が、casa cubeの内側には広がっているのです。
吹き抜け・天窓・スリット窓が「casa cube(カーサ・キューブ)」の核心
「窓が少ない=暗い家」という先入観は、「casa cube(カーサ・キューブ)」の前では通用しません。むしろ、どこに・どのように開口部を設けるかを徹底的に考え抜いた結果として、一般的な住宅とは異なる質の高い光環境が実現されています。吹き抜け・天窓・スリット窓という3つの設計トリックは、見た目の美しさと暮らしの快適さを同時に成立させる、「casa cube(カーサ・キューブ)」の空間設計の核心といえるでしょう。