著名建築家の展覧会を開催!TOTOギャラリー間・片桐真理子さんが語るADVVTの魅力

毎週月曜日に立山律子がお送りする福岡のラジオ放送CROSS FM「DAY+」。「#casa(ハッシュカーサ)」の枠に今回ゲストとしてお越しいただいたのは、TOTOギャラリー間の片桐真理子さんです。

 

TOTOギャラリー間とは?

東京都港区にあるTOTOギャラリー間で展覧会を主に担当されている片桐さん。TOTOギャラリー間は1985年の開設以来、国内外の建築家によるこだわりの展覧会を開催している。展示空間を丸ごと出店者に委ねることで、展示空間そのものが作品となるユニークな展示方法を用いているのだという。建築を広く知ってもらうための社会貢献活動として、TOTO株式会社が入場無料で運営している。

 

今までに好評だった展覧会は?

2018年では、フランスを拠点に数多くのプロジェクトを進める若手建築家の田根剛さんの「Archaeology of the Future――未来の記憶」という展覧会が大盛況だったようです。これまでの田根さんの密度の高い活動の振り返りと、建築でどのような未来を作っていけるかという挑戦を作品にして表現し、田根さんの頭の中を覗くかのようなコンセプトで実施。展覧会は建築家の方のみならず、年代問わず幅広い層の方にご来場いただいたそう。

 

TOTOギャラリー間で今注目のADVVTとは?

現在は11/24(日)までアーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー(以下ADVVT)というベルギーの建築家ユニットの展覧会を開催中。ADVVTは2018年にヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展という建築の大きなフェスティバルで銀獅子賞を受賞した、今最も注目を集めている3人組の建築家ユニットです。

フェスティバルでは「カリタス」という精神科病棟の監修プロジェクトを紹介し、コンペディションでも一等を獲得しました。医師や療法士、患者とディスカッションを重ねながら、多様な用途にこたえる開放的な空間を生み出したそう。それはまるで19世紀の建物の中に既製品の温室を挿入したような空間で、一度足を踏み入れると不思議だけれどもどこか美しい空間に来てしまった、という錯覚に陥ると片桐さんはいいます。

 

作品は日本の学生とのコラボレーション

一般的には建築家自身の作品を模型を通して表現することが多いですが、今回の展覧会では日本の学生とのコラボレーションという初の試みを実施。ADVVTが展覧会に先駆けて今年の4月に来日し、日本の大学で学生とワークショップを行いました。ワークショップではADVVTの作品を学生が読み解き、建築のエッセンスを抽出して、日本の狭い敷地内ではどういった建築になるのかという課題を学生たちがそれぞれ学び、作品に活かすという様子だったそうです。

最終的には日本とベルギー2カ国間の似通ったところや、違いを比較しながら、両方の国の建築の良さを活かした作品が多数生まれたといいます。学生たちからも初めての経験でいい刺激になったと声が上がっており、ぜひその課題の成果を皆さんにも確かめて頂けたら嬉しいですと片桐さんは想いを語りました。

片桐さんにとって人生とは

世界各地の著名な建築家の作品を展示するTOTOギャラリー間。そこで働き、さまざまな作品を目にしてきた片桐さんにとって、「ライフイズ◯◯」の空欄にはどんな言葉が入るのでしょうか。

片桐さんは力強く、「ライフイズハビングファン」と答えてくださいました。人生とは楽しむこと、まずは自ら楽しんでいくことだと言います。仕事をしていく中で、まだ知られていない建築家の作品を日本に紹介するという機会も多いですが、まずは自分がその建築家のいいところや作品の良さを楽しんで、それからまだ知らない人に伝えていくということを大切にしているそう。

仕事といえば大変なことも多いですが、その中で自ら楽しみを見出していく、その姿勢を大事にされている片桐さんは生き生きと自身の仕事の魅力について語ってくださいました。

福岡在住でTOTOギャラリー間に行けない方は、北九州にあるTOTOミュージアムでもTOTOギャラリー間の巡回展を行なっているそうなので、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?11月19日からは建築家・堀部安嗣(ほりべやすし)さんの展覧会が開催されるそうです。

 

毎週様々なジャンルのスペシャリストが登場するラジオ版の「#casa(ハッシュカーサ)」。聴き逃した方はRadiotalk でもお楽しみ頂けます。

【9/23】片桐真理子さん(TOTOギャラリー間)