ミラノサローネ2017で見掛けた、庭や屋上生活を豊かにする屋外空間用の家具ブランド3選。
日本だと地方では庭を庭園風にするなど自由も効くしデザインの余地はあるが、狭い東京などではそもそも庭などなく、あってもテラスや屋上などだろう。そんな中で近年、IKEAがCMでバルコニーを楽しむ「バルコ二スト」という言葉を使って、屋外で使用する家具を宣伝しているようにテラスやバルコニー、屋上など戸建やマンションに限らず屋外空間を有効活用しようとする動きが活発だ。ミラノサローネではそういった屋外空間を彩り、楽しむための家具も多く見られた。
インテリアガーデンという発想を生み出したRODA(ローダ)
森のようなイメージの空間の中にゆったりとした家具が印象的なのは「RODA(ローダ)」というイタリアのアウトドアファニチャーブランド。1990年にRoberto Pompa(ロベルト・ポンパ)によって設立された屋外家具の分野ではリーダー的なブランドだ。インテリアとエクステリアの境界をなくすような「インテリアガーデン」という概念を生み出し、ゆったりとしたラグジュアリーなデザインを展開している。
ラグジュアリーな家具は地中海のリゾートがイメージされるような雰囲気で、ソファも明確な形ではなく良い意味で使い方が曖昧なデザインが施されている。
また、RODA(ローダ)の家具は天然素材を使いながら、強い太陽光や雨風に耐えなければいけない屋外家具としての耐久性が高いことでも評価されている。
ベルギーのガーデンファニチャーブランド「TRIBU(トリブュ)」
風が通るようなさわやかで、緑豊かな空間を作っていたのはベルギーのガーデンファニチャーブランド「TRIBU(トリブュ)」だ。TRIBU(トリブュ)の家具はモダンで、今年のミラノサローネのテーマである普遍性やクラシカルと言った言葉が似合うデザインのものが多い。チーク材など木材を多用することで家の中のような安心感もありながら、高級リゾートホテルのようなラグジュアリー感もありクオリティが高い。
RODA(ローダ)同様にインテリアの延長上としてのテラスや庭、屋上空間を演出できるのでどのような場所でもしっくりくるし、例えばプールサイドなどに置けば間違いない。
モダンで細いラインが綺麗なGANDIA BLASCO(ガンディアブラスコ)
RODA(ローダ)とTRIBU(トリブュ)と異なり、スッキリとしたブースの空間が目を引いたのはスペイン・バレンシア発の家具ブランド、GANDIA BLASCO(ガンディアブラスコ)だ。GANDIA BLASCO(ガンディアブラスコ)はアルミのシンプルなラインのミニマルなデザインが特徴的。青い海と空の地中海の雰囲気にぴったりだ。
シンプルなデザインがより空間を豊かにさせるガーデンファニチャーは、サイドから見ると脚やアーム、座面の曲線も幾何学的で美しい。
デザインの優れた屋外家具は地中海やアジアのリゾートでも使われているし、ミラノやイタリアに限らずヨーロッパはカフェやレストランが路上や広場にまで座席を広げているので、屋外家具の分野は古くから需要があるのだろう。
最近庭や屋上、テラスなどの屋外空間に注目が集まりはじめた日本でも、空間を彩り生活を豊かにしてくれる屋外用家具ブランドはますます重要になるだろう。