住宅の建材も産地が重要! 素材にこだわった日本らしい家「casa amare」

スーパーで肉や野菜を買うとき、パッケージに表示されている産地を確認するようになったのはいつからだったろう?

以前は、産地など気にも留めずに価格や量や見た目の美しさで物を選んでいたような気がするが、

いつの間にか、「どこでどう育ったものなのか」を気にするようになっていた。

食べ物がそうなら、当然、家の材料である木材に対してもそうなる。

完成品が良く見えれば、どんな材料でもいいわけではない、のだ。

 

野菜や肉と同じ。木材も産地にこだわりたい。

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casa amareは、地産地消を推進しているため、基本的には建築地の近くの地域で育った木を使って家を建てることを大切にしている。

現代は、スーパーで野菜ひとつ、肉ひとつ買うにも、産地、ときには生産者までも吟味するという時代だ。産地や生産者によって、消費者は同じきゅうりでも、牛肉でもそれ相応の価値を見出し、それが購入の判断基準になる。

ところが、家の原材料である木材に関しては、そうではない時期が長かった。

少し古いデータになるが、2008年の時点で日本の木材の自給率は24%。かなり外国産の木材に押されていた。日本で建築に使われる木材の大半は輸入品で、その輸入量は世界でもトップクラスだった。

国土面積が狭いとはいえ、「木の国」と呼ばれるほど、森林の多い国でありながら、そんな状況にあった。

 

確実に増加している国内産木材の需要

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しかし、宮崎県日南市のウッドエナジー協同組合に話を聞いてみると、近年、やや流れが変わってきたのだという。

「消費者の目が厳しくなってきた昨今、木材にも国産を求める消費者が増えてきています。野菜でも産地にこだわって買う人が増えているのですから、木材もそうなってきた、ということでしょう、」

ウッドエナジー協同組合では、構造用の集成材の加工を主に取り扱っている。集成材は、引き板を何枚も重ねることで、安定した強度を品質を生み出す構造材。木造建築の柱においては5割以上にこの集成材が使われている。かつてはこの集成材に占める国産材の割合が10%程度だった。それが、2009年の時点で20%まであがってきたのだ。

宮崎県にあるウッドエナジー協同組合に限るなら、100%が地元宮崎の飫肥杉だ。そして、ここでは3万本もの丸太が約2週間で消費される。工場は土日も稼働するほど盛況だと言う。国内産木材の需要は確実に高まっているのだ。

 

木材の加工には、木の種類による特徴を生かす

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多少の加工はあるにせよ、木材は元来、天然のものだ。規格とおりに作られた工業製品とは違う難しさもある。

「木材には、節もあれば、曲りもある。1つ1つが違っている。木の種類によっても違いがある。だから、その特徴をよく理解して、生かして加工する必要あるんです。」

と、ウッドエナジー協同組合の吉田利生代表は言う。

杉と檜でも、それぞれの板の上を歩いてみると、その違いは歴然としているのだそうだ。杉は柔らかく、弾力があり、檜は硬い。杉はあたたかく感じられ、檜は冷たく感じる。そんな違いをうまく生かして、かつての日本の家は建てられていた。

そんな伝統を、casas amareは、繋いでいくのだ。

 

一時は、縮小傾向にあった林業や製材業が息を吹き返すくらいに、国内産木材の需要が増えていけば、

その経済効果は大きいだろう。

そして、日本ならではの美しさをもち、技術の粋を活かした家を手に入れられる人も増えるとしたら。

casa amareというプロジェクトに、大きな可能性を感じずにはいられない。