japanarchitecture

コンセプトは縁側?プリツカー賞受賞の建築家・坂茂による「大分県立美術館」。

ガラス張りの壁面に整頓された白の柱が美しく映えるこちらの建物は、2015年春に誕生した大分県立美術館。西武美術館・セゾン美術館やフリーランスの学芸員として注目される新見隆氏を館長に迎え、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞や、最近では建築家で初のマザー・テレサ社会正義賞などの受賞歴を誇る坂茂氏が設計を担当しています。

にぎわいを生み出す美術館

「街に開かれた縁側としての美術館」をコンセプトとした建物の外観には、大分県の竹工芸をモチーフとしたデザインが目を引きます。大通りに面した南側の壁面部分はガラスの折戸になっており、開くと縁側のような広々とした開放感を与えてくれます。美術館というと無機質な箱型の建物を想像しますが、街のシンボルとしてより多くの人々が楽しめる場にしたい、とした坂氏の想いがこのような空間を生み出しました。中には図書館やラウンジスペースが設けられ、普段芸術に興味がない人も気軽に利用できることもこの美術館の特徴。

中に入ると広がるアトリウムを奥へと進むと、天井から吊り下げられた巨大なオブジェが現れます。「ユーラシアの庭『水分峠の水草』と題された作品は、日本を代表するテキスタイルデザイナーとして数多くの作品を発信してきた須藤玲子氏によるもの。高い天井の空間にふわふわと浮かぶようなこのオブジェが、高さのある建物の雰囲気を和らいでいます。

材料は、ラップの芯?

特におすすめはこちらのカフェ シャリテ。

こちらでは県内の九重高原にある自社農園で育てた安心・安全な野菜やお肉を使用したお料理が楽しむことができます。ラップの芯のような筒状のマテリアルで作られた内装は、坂氏が得意とする「紙管」を材としており、椅子や机などの家具まで紙管でできています。固くて座りにくいように見えますが、人の背面に沿って曲面が作られているため意外とフィットし、ゆったりと過ごすことができます。坂氏のデザインを実際に体験できるこちらの空間はこの美術館ならでは。

光が降り注ぐ穏やかな中庭

また、3階に上がると目の前に現れるのは現在工芸作家によるインスタレーション、「天庭(あまにわ)」です。ぽっかりとあいた天窓から注がれる柔らかな光が作品たちを照らし、ゆったりとした時間の流れの中で鑑賞することができます。天井には曲線がかった杉の木組みが施され、自然の美しさと現代美術が呼応し合う心地の良い空間に。

その他にもレストランやギャラリーショップも充実し、建築好きもそうでない方も楽しめる大分県立美術館。まさに「街に開かれた縁側」のようなこの空間を是非体感してみてください。

 

大分県立美術館(OPAM)

開館時間:10:00〜19:00(入館は18:30まで)、金・土は〜20:00(入館は19:30まで)
休館日:原則無休(館内点検等による臨時休館を除く)
観覧料金:一般300円、大学生・高校生200円、企画展は別料金
URL : http:/www.opam.jp
住所:大分県大分市寿町2−1

千華

広告代理店営業から転身した新人インテリアデザイナー。横浜出身渋谷区在住のミレニアル世代の一人っ子。母方は佐渡島の系譜。趣味は料理とはしご酒。

casa

建売でも注文住宅でもないもうひとつの可能性 casa シリーズ。

機能、デザイン、コスト削減などを徹底して追求した、

完成度の高い住宅。