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藤森照信が手掛けた二俣川の自然に溶け込む建築「秋野不矩美術館」

高過庵やタンポポ・ハウスなど自然素材を使った大胆な表現で、ノスタルジックな雰囲気を身にまといながらも、今まで見たことがないようなユニークな建築を手掛ける藤森照信。浜松市天竜に、彼の設計した二俣川流域の自然と溶け込む美術館がある。

日本画家・秋野不矩の作品を展示する「秋野不矩美術館」

二俣川近くの緑に囲まれた丘の上にある「秋野不矩美術館」は、その名前の通り地元二俣町出身の日本画家・秋野不矩(あきのふく)の作品を展示する。秋野不矩は、当時としては珍しい女性の作家で、文化勲章も受章している。50代からインドに魅せられ、ユニークな作風の日本画が有名だ。

秋野不矩美術館は、幾何学で構成しながらも外観もインテリアも自然素材で作られている。他の藤森照信建築同様にかわいくてノスタルジック雰囲気を身にまといながらも、モダンなのだ。

外壁は、経年変化により味のある表情になっていて、昔からここにあったかなのような風合いで場所に馴染んでいた。

古民家のような現代建築

日本や和を感じさせるインテリアは、徹底して自然素材で構成されている。

チケット売り場から展示室の方に進むと、ホワイエとして吹き抜けの高い天井の空間がある。吹き抜けは、木の柱と梁がむき出しになっていて、古民家のような雰囲気を醸し出していた。

美術館というよりも、大きな家のリビングといった場所に思えてくる。

このテラスからは、緑豊かな秋野不矩の故郷の二俣川と集落の風景が伺える。

展示室へは日本の住宅のように小上がりで靴を脱いで入るようになっている。ホワイエや展示室ともに、漆喰の壁が豊かな表情を演出している。

トップライトから差し込む自然光が漆喰壁に反射して、不均一な表情になっている。床が畳の展示室もあり、藤森建築らしく非常にユニークな美術館である。

モダンな構成ながら自然素材を使い、日本建築らしくコンクリートの木ゴテ押さえの仕上げやルーバーが独特の雰囲気のある空間を作り出していた。

 

「秋野不矩美術館」は、藤森照信の建築らしく、懐かしさもありながらモダンでもある非常におもしろい建築だった。また、住宅のような雰囲気で、スケール感なども身体にフィットする印象で居心地も良い建築である。

秋野不矩美術館

開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜日
入館料:¥300
電話:0539-22-0315
URL : http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/akinofuku/
住所:静岡県浜松市天竜区二俣町二俣130

#casa 編集部

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