レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースによる前衛的な建築でアートを包む 「ポンピドゥー・センター」

ポンピドゥー・センターはフランスのパリにあります。ジョルジュ・ポンピドゥー元大統領がパリに芸術拠点を作る構想をし、1977年に完成した建物です。前衛的なその外観は当時は当然のごとく批判の的であったようです。設計者はフランスで初めての国際コンペで選ばれたイギリスのリチャード・ロジャースとイタリアのレンゾ・ピアノのユニット。当時はまだそれほど知られた存在ではなかったものの、現在はそれぞれ単独で活躍、二人とも建築界のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を受賞しています。

構造や設備、動線が外部にむき出しの建築

緩やかな斜面になっている目の前の広場からエントランスへ向かいます。

ポンピドゥー・センターの特徴は設備配管が露出している点にあります。一般的な建物の構成は建物の内側に設備配管を隠すように納めていきますが、ここではそれらを外に出して外観デザインとしています。これによって展示などのある内部スペースを広く確保できるのです。

建物を見渡すとそれらの線状に走る配管や構造には配色されていることが分かります。実はそれらの色にはコードがあるのです。

【ポンピドゥー・センターの配管カラーコード】
青:空調
緑:水道
黄・橙:電気
赤:階段、エスカレータ、エレベータの機械室とシャフト
白:構造体、大きな空調
銀:階段・エレベータの構造体

建物の裏側には他の様々な色の設備配管を見ることができるので、それらの色を眺めながらその役割を想像をするのも楽しいかもしれません。

可愛らしいダクトもポイント

建物前の広場の周囲には巨大な空調のダクトが並んでいます。

巨大で無機質なものの、その曲線と色味、高さのバリエーションによって可愛げのある存在に。遊び心のあるパーツもこの建築の魅力と言えそうです。

空港のような無骨な空間

ポンピドゥー・センターは7階建で、1〜3階までが図書館機能、4〜6階までが美術館機能がメインで入ります。その建物内には他に2つの映画館や会議室、最上階にはカフェやレストランが入り、複合文化施設となっています。

美術館というよりも駅や空港のような雰囲気なのはこの巨大な梁やパイプがむき出しのためか、スッキリとした印象な気がします。レンゾ・ピアノ設計の建築は多くの部材を使いながらそれを細かく連続させることで綺麗に見せているように感じられます。

内部、外部をつなぐスペクタクルな空間

表側のファサードの通路へ。通路とエスカレーターは、半外部のようなスペクタクルな空間に。シリンダー状に通路があってパリの町並みを望むことができます。

シリンダー状の通路を抜けて外部にも出られるため、上階の通路からは周囲の建物より高い位置からパリ市内を一望できて気持ちの良い時間を過ごせます。

広くフレキシブルな展示スペース

構造や設備、動線が外部に表出した分、美術館の展示スペースが広々としていて天井も高く設定されています。ほとんどが可動できる壁でできているためフレキシブルに使え、建築のコンセプト通りと言えそうです。

最上階にはレストランがあります。こちらも無機質でインダストリアルな雰囲気。インテリアに用いられたピンクの色味によって、無骨な空間を現代的な印象に昇華しています。

地下には小さいギャラリーや撮影スタジオが並んでおり、著名なアーティストのみならず次世代へのアート活動の支援としての役割も見られます。ネオンのサインも現代的で、他のフロアとは異なる印象を受けます。

廃れることのない挑戦的な建築デザイン

現代美術を発信する空間として、今もなお前衛的な印象を与える「ポンピドゥー・センター」。内包されるアート作品に干渉せずとも、機能的かつ廃れることのないデザイン性が魅力の建築です。

営業時間 : 11:00~22:00
入館料:14ユーロ(一般)
URL : http://centrepompidou.fr
住所 : Place Georges-Pompidou, 75004 Paris, France