【建築家に聞く10のアイディア】家族が行き交う場所こそ便利!?柔軟な発想で設ける”収納スペース”

毎日の暮らしの中で避けることができない洗濯のスパイラル。家族全員分の衣類を洗って、干して、たたんで、しまうという作業がスムーズに行えないと、日々小さなストレスがたまっていくものです。国立社会保障・人口問題研究所の「全国家庭動向調査」(2018年)によると、 家事に費やす平均時間は平日で4時間23分。そのうちの1時間12分が洗濯の時間と公表されています。毎日の家事をラクにするためには、効率のいい動線づくりがポイントになります。そこで、収納スペースを見直してみるのはいかがでしょうか。

洗濯物干しも可能な廊下収納スペース

https://hash-casa.com/2021/06/17/spaciousonestoryhouse/

こちらの住宅では、洗濯に関わる「作業」と「移動」を最小限に抑えて、負担が軽減できるよう考えられた収納プランが取り入れられています。ランドリールームとリビングルームをつなぐ廊下を、ウォークイン機能を持つ収納スペ ースとして兼用するという、ある意味「収納の固定観念」を排除したともいえるプランニングによって、効率的かつ快適な動線が実現しました。また、このプランでは24時間換気システムを導入し、新鮮な空気が常に家の中を循環しています。そのため、洗い上がりの洗濯物を吊るせば、においもつかずに乾き、たたむ手間も省けるという、部屋干し機能も。毎日使うアイテムを家族が行き交う動線上のオープンなスペースに収納することで、洗濯の一連の作業から、着替え、片づけまで、無駄なく行えるのです。

ウォークスルークローゼットという発想

https://hash-casa.com/2022/03/07/houseimagineslife/

家族の成長に従って増えていく衣類。収納する場所がほしいけれど居室に新たにクローゼットなどを設けると、部屋が狭くなってしまう…。そんなお悩みを解決してくれるのが、ウォークスルークローゼット。クローゼットの中を通り抜けることができるため、その日に着る服を効率的に選ぶことが可能です。生活動線と収納・衣類選びなどを一度に行うことができるのです。

クローゼットを水回り付近に設ける

https://hash-casa.com/2021/11/19/enjoyfamilytimeatacomfortablehome/

先ほどの住宅のように、家族のクローゼットを一箇所にまとめる場合、水回りに配置すると洗濯をよりスムーズに行うことができます。ファミリークローゼットを洗濯機からも、そしてテラスや物干しスペースからも近い場所に配置することで、たくさんの洗濯物を効率的に片付けることができます。

意外とメリットの多い、共用スペースに収納を設けるという発想

家族の共用スペースである廊下や水回りに収納の機能をプラスすることで、各部屋の収納を最小限に設計できることも大きなメリットと言えそうです。収納スペースを従来の間取りにとらわれずに、自由な発想と工夫を持って配置することで、家事をラクに、生活を快適に、そして限られた空間を最大限に活用することが可能になります。