フェリックス・キャンデラが手掛けたメキシコシティにある「サンタ・モニカ教会」が斬新!
「HPシェル構造」の先駆者であるメキシコの建築家フェリックス・キャンデラ。メキシコには彼が手掛けた建築が多く存在する。中でも、彼の代名詞である「HPシェル構造」という構造システムを用いた代表作の一つと知られるのが、サンタマリア教会だ。
三角形の開口が印象的なファサード
サンタ・モニカ教会の外観で最も目を引くのは、なんと言っても印象的な三角形の3つの開口部だ。三角屋根の面を使って出来上がったファザードには、彩り豊かに飾られるステンドグラスがダイナミックだ。
内部を覆うHPシェル構造によって、必然に導き出されたことがわかるこの外形は、ただ形としてデザインされただけではない「面白さ」を感じる。
中央の1本柱から放射状に壁や天井が生まれる
高い天井空間が広がる内部は、丸い柱を中心に扇形のシェルが伸びる。まるで「ヤシの木」のように放射状に伸びるその天井は、柱であり壁でもある。だからこそ、シェル構造の伸びやかな流れと間に取られたスリットの効果で「求心力」の力強さをも感じられる表現が圧巻だ。
美しいリズムを造り出す、3つの三角ステンドグラス
外観で印象的だった、ダイナミックなステンドグラス。内部では、光を虹色に彩ながら空間を暖かく包み込む。それと同時に、スリット状に切り込まれたトップライトからも自然光が差し込み、明るい空間が広がる。
L字の敷地に作られたサンタ・モニカ教会。その地形に合わせて「扇形」で作られたのがこの建築だ。そこに「均質な明るさ」の空間を求めたキャンデラは、屋根をHPシェルのリブ・アーチ&スリットとしたという。
1960年代の当時、コンピューターのない時代に自身の手で図面と構造計算を行い、創り出された傑作からは、フェリックス・キャンデラの才能と探求努力が感じられ、その美しい虹彩と共に息を飲む感動があるだろう。
教会建築を数多く手掛けたキャンデラのHPシェル構造は、教会建築のシンボリックな外形と神聖な雰囲気の内部空間を作り出すことに非常に長けていると言える。
サンタ・モニカ教会 – Capilla Santa Mónica
電話 : +52 55 5575 6014
URL : http://www.agustinosrecoletos.org/comunidad.php?id_pais=7&id_provincia=36&id_comunidad=49&idioma=1
住所 : Fresas 126, U.H. del Valle, Benito Juárez, 03100 Ciudad de México, CDMX, Mexico