開口部が様々な表情を魅せる、四角い建物と光の使いかたが美しい「インド経営大学」

公共施設や大学のキャンパスなどでよく見られる世界各国の名建築。

その中から今回ご紹介するのは、四角い窓と光の使い方が美しい、建築家ルイス・カーンによって建てられた「インド経営大学(IIMA)」。

モダニズム建築でありながら、どこか土着的でのんびりした雰囲気が漂う、開口部がユニークな造りのキャンパスだ。

遠くからでも吸い込まれそう、トンネルの入り口のような丸い開口部。

遠くから目を引くのは、トンネルの入り口のようなカーン独特の円形とレンガ造りの外観。木々や芝生の緑と、赤褐色のレンガのコントラストがとても美しく、インドの強い日差しにファサードが映える。

キャンパスを建てる際、地元の職人を工事に採用するため、難しい工法ではなく簡単な工法で建てるためレンガの外装になったと言われている。

コンパクトに見えても実は近くに寄るとダイナミックな四角い開口部。

外壁には至る所に大小の開口部が設けられており、ガラスを使用せず吹き抜けになっているため、外部と区切るときはサッシを入れ、開口が開いている時は半外部空間となっている。

遠くから見るのとコンパクトに見える四角い開口部も、近くに寄ってみると大きく印象が異なりダイナミックで迫力がある。

開口部から入る美しい光と、ここちよい風。

建物の外部と内部は光のコントラストが強く、開口部から注がれる光は明るく美しい。

アーメダバードの強い日差しを利用し、光の入り方はしっかりと計算されている。

外部と内部は気温の差がほとんどないが、廊下は外の灼熱の暑さとは違い、風が通り、開口部の光のバランスが木陰となりレンガや石畳の通路を冷やすため、通路はひんやりしている。

アーチ型がユニークな、単純だがユニークな開口部。

四角い開口部の上はアーチ型になっており、遠くから見た時にこの部分がファザードのアクセントに見える。PCコンクリートでアーチを支え、ディテールは簡素化されているがインドでの施工的には適切なのだろう。

光の入り方も、それぞれの開口部から注がれニュークな影の模様を描く。吹き抜けもガラスが貼ってないので、内部でありながら外部であり、風通しが良い造りとなっている。

見る人を不思議な感覚にさせる、開口の独自のスケール感。

“ 四角” と“ 丸”といった、シンプルな形でありながら、見る人を不思議な気分にさせるルイス・カーン建築による「インド経営大学(IIMA)」。

環境と調和したその独自のスケール感は、学びの場にふさわしく、学生たちに時に心地よく時に刺激を与えるようなそんなユニークな造りをしている。