MEMU EARTH HOTELで宿泊できる、隈研吾設計・監修による世界的にも稀有な5棟の「実験住宅」

MEMU EARTH HOTELは、環境に配慮した寒冷地実験住宅施設「メムメドウズ」内に建てられた、サスティナブル住宅を活用したホテル。北海道広尾郡大樹町 芽武に位置する同ホテルは、“持続可能なくらし”をテーマとした、実験的かつ先進的な体験型の宿泊スタイルを提供している。本記事では、MEMU EARTH HOTELで宿泊できる5棟を紹介する。

隈研吾設計・監修による「Même(メーム)」

「Même(メーム)」は北海道古来の住宅をモチーフに、壁と屋根を同じ膜材で仕上げた、緑の台地に浮かび上がるように建つこれまでにないユニット。光を透過する白い膜材は二重構造(ダブルスキン)になっており、暗く閉鎖的な暮らしになりがちな寒冷地において、室内に明るく柔らかな光をもたらしている。

冬場は膜の間に地熱をとり入れ、断熱性能を向上させると同時に、室内を効果的に暖めることができるのだとか。

ハーバード大学設計による「HORIZON HOUSE」

個人の居住空間と、大樹町の牧草風景が生み出す対話を象徴している「HORIZON HOUSE」。特徴的なのは、周囲360°の大自然パノラマ。そこに映る季節ごとの変化を、居住者に与えてくれる。

また冬季に住宅の一部が雪に埋もれ、窓からの視界が遮られることを避けるため、居住空間は木製基礎によって地上1mに据えられているそう。通年すべての屋内空間から、自然の風景が堪能できる。

オスロ建築デザイン大学設計による「INVERTED HOUSE」

「INVERTED HOUSE」は、“厳しい寒さを楽しむ家”という、一見矛盾するようなテーマのもとに建設されたもの。4つの壁を外部環境に対し開き、寒さと季節の移ろいを受け入れる家として提案している。

料理、食事、入浴、就寝など、すべての生活は屋外で。屋内の居室は、予期せぬ悪天候から避難するために作られているという。

慶応義塾大学設計による「BARN HOUSE(納屋の家)」

「BARN HOUSE」は、馬と人間が同居する住まいの提案する住宅。馬との記憶が根づいた大樹町の文化を受け継ぎ、馬と人間の新しい共生の形を提示した。

人間の約10倍もあるという、馬の代謝熱を活用して室内を暖め、馬の排泄物が堆肥化する過程で発生した熱も室温上昇に用いられるなど、馬が重要が重要な役割を果たしている。人間が動物や建築と積極的に関わり合うことで熱源が生まれ、季節のリズムに応じて表情が変わるラディカルな提案を体験できるだろう。

早稲田大学設計による「町まとう家」

2011年、“震災後の新しい時代にふさわしい新しい家”をテーマに行われた第1回「学生のための住宅デザインコンペ」で最優秀賞を受賞した「町まとう家」。

今あるもので、今あるもの以上の豊かさが得られないか?そんな問題提起から大樹町を象徴する「牧草」に着目し、外壁材として牧草を利用。それだけでなく、刈り入れ時期にケースに密封された乾燥させた牧草は、家内部の棚に収納することで壁としての役割を果たしている。

MEMU EARTH HOTELは、世界的にも稀有な「実験住宅」に泊まれるチャンス。「地球に泊まり、風土から学ぶ」を体験してみたい方は、ぜひ宿泊を検討してみては。

MEMU EARTH HOTEL(メムアースホテル)

URL:http://memu.earthhotel.jp/