ホームサウナのある「白い家」——整う場所が、家族の日常をひらく平屋
福岡県行橋市の造成地に、白い平屋が完成しました。余白を宿したようなたたずまいの外観、そしてホームサウナを中心に据えた暮らしの設計。建築家が丁寧に紡いだこの住まいには、日常をもっと豊かにするための工夫が随所に息づいています。
造形と構成の美しさが宿る、印象的な外観

正面から眺めると、まず目に飛び込んでくるのは、大きな白い壁面とそこに生まれた鋭角の切り込みです。余計な装飾をいっさい排したシンプルな外壁に、建物のボリュームが生み出す影がリズムと奥行きを与えています。

二つの箱を組み合わせたような構成は、見る角度によって異なる表情を見せます。正面からはモノリシックな白の塊として、横からは水平ラインが美しい平屋の佇まいとして。外壁に点在する小窓は、プライバシーを守りながら内部に光と風を取り込むための計算された開口部です。建物の構成でリズムと奥行きを与え、見る人の心に余韻を残す、そんな建物が、静かにここに立っています。

玄関アプローチは、斜めにカットされた壁面が導く独特の動線です。三角形のシャドウポケットの中に玄関扉が収まり、「内部はどんな空間が待っているのだろう」という期待感を高めてくれます。外から内へ、光と空間がゆるやかに移行するこの設えが、訪れる人を自然と招き入れてくれます。
ガラス扉の向こうに広がる、木の温もりのサウナ

この住まいの最大の特徴であり、コンセプトの核となるのがホームサウナです。脱衣室から続くサウナルームは、天井から床まで木材で囲われた本格的なつくり。ガラス扉と木製のハンドルが設えられ、透明な扉越しに見えるベンチやサウナストーンが、「いつでも整える」という豊かな日常の予感を漂わせています。

サウナが持つ効果は、リラックスや血行促進だけにとどまりません。サウナに入ることで体温が上昇し、免疫力アップや疲労回復、睡眠の質向上、さらには美肌効果まで期待できると言われています。施設のサウナを利用するのとは一線を画す、自宅でいつでも好きなときに「整える」という体験は、日常の質そのものを変えてくれるものです。

脱衣室には大きな縦窓が設けられており、外の緑が視界に入ります。サウナ後に窓の向こうの景色を眺めながら身支度を整える——そんな何気ない時間もまた、この家ならではの豊かさです。
整うスペースは、家族の中庭にもなる場所

サウナを出た後に向かうのが、東側の眺望に向かって開かれた屋外テラスデッキです。建物が周囲の視線をやわらかく遮りながら、東に広がる田園の景色を切り取るように開口しています。ここに置かれたアウトドアチェアに身を沈め、汗が引くのを感じながら空を見上げる——それが、この家での「整う」という行為です。

このテラスは、サウナを使わない時間にも活きてきます。朝のコーヒーを楽しむ場所として、子どもたちが遊ぶ庭として、友人を招いてBBQを楽しむ場所として。LDKと大開口のガラス引き戸でつながっているため、室内との一体感も抜群です。光と風がLDKにも運ばれてきて、家の中にいながら外の気配を感じることができます。
ホームサウナのある「白い家」
「サウナを楽しみ、開放感ある眺望が広がっている場所で整い、くつろぐ」——建築家が描いたこのビジョンが、竣工した住まいの中に確かな形として宿っています。サウナ好きのご友人を招いても、ご家族だけで静かに過ごす休日にも、このテラスは家の中心的な舞台であり続けます。人を招きたくなる、家にずっと居たくなる。そんな暮らしがここにあります。
後編:白い空間が呼吸する——テラスとLDKが一体となる、ずっと家にいたくなる平屋「白い家」の内側(5月28日 公開予定)