男前な外観と柔らかい雰囲気の室内のギャップに驚き。建築家が手がけるニューノーマルを叶える家

コロナ禍に浸透した「ニューノーマル」という言葉。生活様式が変化していく中で、「新たな常識」を意味する「ニューノーマル」という単語がよく使われるようになった。今回ご紹介する家は、住宅における固定概念を覆した設計がポイント。 “意匠性の高い家=性能が低い=使い勝手が悪い” という固定概念を取り払い、 「意匠性」 「性能」 「使い勝手」 の3つを叶えつつ、 「楽しい」 という要素を加えた住宅を完成させた。

スタイリッシュでスクエアな外観

黒とグレーの中間のような、シックな色味を採用した外観。完全なる黒色を用いていないことで重たい印象にならず、どこか垢抜けた印象を思わせる。スタイリッシュな雰囲気で、四方どこからみても絵になるフォルムが特徴だ。

2階が1階部分より迫り出した、頭でっかちなデザイン。2階のバルコニー部分に面格子を取り入れることで、抜け感が生まれ、暗色との調和をとっている。シンプルなデザインに見えるが、色の濃淡をつけたり抜け感を演出することで、際立つ外観に仕上がっているのでは。

家の前にはシンボルツリーを設置。これから暮らしていく上でどんなふうに変化していくのか、月日の経過とともに成長を楽しめる。家を建てる際は“木”のような、シンボルとなるものを1つ取り入れるのも良いだろう。

家族が団らんする開放的なLDK

1階には寝室や、将来2部屋に分割できるフリーの部屋を用意。2階には、バルコニーまで続く開放的なリビングが広がっている(バルコニーについては後編で詳しくご紹介する)。外観はシックな印象だが、家の中は木材とホワイトカラーを組み合わせた、あたたかみのある雰囲気。テレビ台として設けられた長い棚は、お気に入りの本を飾ったり、花を生けたりと使い方はさまざまだ。

リビングとキッチンは比較的コンパクトなサイズ感ではあるが、バルコニーへと出られる大きな窓のおかげで、圧迫感もなし。むしろ外へと繋がる空間が設けられていることで、抜け感が生まれている。外からの日差しもたっぷりと降り注ぎ、部屋全体を明るく照らす。

キッチンから見ると、思った以上に奥行きが生まれていることがわかる。余計な装飾がなく、キッチンカウンターやソファ、テレビ台など、高低差のないフラットなデザインを選んでいるため、視界を遮るものもなく、すっきりとした印象。自由度の高いバルコニーでは、BBQや家キャンプまで楽しめる。

外観と中のギャップが魅力

スタイリッシュな外観から、室内も男前な雰囲気かと思いきや、いざ中を見てみると落ち着きのある心地いい空間が広がっている。家に入ると同時に、ほっと一息つけるようなあたたかさが魅力的で、つい早く帰りたくなる家と言えるのではないだろうか。後編では、バルコニーやキッチンについて詳しくご紹介する。

後編:外から見えない、でも抜け感バッチリ。プライバシー感のある「屋外リビング」が魅力的な家