ミラノサローネ2022でディオール・メゾンがフィリップ・スタルクによる「メダリオンチェア」を発表

2022年6月7日~12日に開催され、世界最大規模の家具見本市「Milano Salone(ミラノサローネ)」。20万5,000㎡を超える総展示面積に、約2000社のインテリア関連企業が出展した。

その中で、ディオールメゾンは、国際的に著名なクリエイターであるフィリップ・スタルクを招き、ムッシュ ディオールが愛したルイ16世様式の象徴である「メダリオンチェア」の再解釈を行った。

フィリップ・スタルクによる「メダリオンチェア」の再解釈

メゾンの時代を超越したユニークなこのコラボレーションの展示は、ミラノのパラッツォ チッテリオにて披露された。

マットブラックを用いたモノクロームの空間に、サウンドウォーク・コレクティヴ(ステファン・クラスニャンスキ、シモーネ・メルリ)がエリック・サティの作品をベースに「ディオール」のために制作した楽曲と光の相互作用を活かした、躍動感のある没入体験型インスタレーション展開。ポリッシュやサテン仕上げのブラッククロム、ピンクコッパーやゴールドなど、異なる色調を引き立たせるために特別にデザインされた24 脚の「ミス ディオール」チェアが、サウンドに合わせて代わる照明に照らし出されるという、幻想的な空間演出が繰り広げられたのだ。

フィリップ・スタルクがデザインしたこのチェアは、大胆なエレガンスを宿した、ある種の女性らしさへのオマージュとして、「ミス ディオール」と名付けられ、「ミニマムへの情熱」に突き動かされた彼は、この有名な椅子の構造を極限まで洗練させ、そのシルエットのシンプルさを追求したそう。

気品と耐久性を兼ね備えるアルミニウムの軽やかさによって、一層モダンさが際立つチェアは、 3 つのモデルからなっている。シングルアームレスト、2 つのアームレストを備えたモデル、アームレストのないモデルで展開されている。これらの作品は、「ディオール ブティック」にてオーダーが可能だ。

新作家具の発表を見送った家具メーカーが多い中、「ディオール」による歴史を再解釈した数々の椅子は多くの注目を集め、未来に目を向けるメゾンの力量を感じる展示であった。