
大阪・関西万博のコルデフィ+CRAによる「フランスパビリオン」は、建築もLVMHとのコラボも見どころいっぱい!
2025年大阪・関西万博のフランスパビリオンは、「愛の讃歌」をテーマに、ルイ・ヴィトン、ディオール、セリーヌといった一流メゾンの展示で来場者を魅了しています。建築家のコルデフィとCRAが手がけた空間は、舞台芸術に着想を得ており、来場者自身が物語の一部となる体験を提供します。
舞台演出に着想を得た「愛の讃歌」としての建築
コルデフィとCRA(カルロ・ラッティ・アソシアティ)が手掛けたフランスパビリオンは、単なる建築物ではなく「生命の劇場」として構想されています。
これは、演劇の舞台装置や演出から着想を得たものであり、来場者一人ひとりが主役となって、建築空間そのものがダイナミックな演出を繰り広げるというものです。
パビリオン全体は流動的な空間の連続として設計され、来場者はまるで劇中を歩いているかのように、次々と変化する視点を通じて「愛の讃歌」を体験します。
劇場のカーテンを思わせる17メートルのヴェールは、光や風に反応して絶えず表情を変え、愛の様々な側面を象徴するように、建築が生き生きとした動きを見せます。このデザインは、静的な美しさだけでなく、常に変化し、来場者との対話を通じて完成する、生きた愛の物語としての建築の新しいあり方を提示しています。
循環型アプローチと日本の「赤い糸」に触発された愛のデザイン
フランスパビリオンのデザインは、日本の「赤い糸」の伝説に深く触発されています。デジタルな繋がりが主流の現代において、パビリオンは人と人との物理的なつながりや対話を再認識させるための媒体となることを目指しています。それは、運命によって結ばれた魂たちが、万博という空間で出会い、愛を育む場所であることを示しています。
迷路のように巡る動線や、静かな内庭は、偶然の出会いや自然との触れ合いを促し、来場者が他者と、そして自分自身と向き合う時間を提供します。また、このパビリオンは循環型の建築モデルに基づいて設計されている点も大きな特徴です。建物の大部分にはプレハブ式やモジュール式の要素が用いられ、万博後には解体・再利用されることを前提としています。これは、一過性の愛ではなく、環境を思いやり、持続可能な未来へと繋がる愛を建築で表現していると言えるでしょう。
また、オーギュスト・ロダンの彫刻があちこちに展示されていて、その持つ力強いメッセージと、フランスの作家や職人たちの精神が重なり合うことで、来場者は「愛の讃歌」というテーマをより深く感じ取ることができます。
LVMHの一流ブランドとのコラボレーション
フランスパビリオンは「愛の讃歌」をテーマに、LVMHグループの各ブランドとの豪華なコラボレーションを実現しました。ルイ・ヴィトンは、日本人建築家・重松象平氏(OMA)と協業したトランクのインスタレーションで旅の精神を表現。ディオールは、約400着のトワルでクチュリエの情熱を伝え、セリーヌは日本の伝統工芸「蒔絵」との特別な展示で文化の共鳴を示しています。
ルイ・ヴィトン:トランクが織りなす「愛の讃歌」
フランスパビリオンの常設展示では、ルイ・ヴィトンが、ブランドの核である旅の精神と職人技を表現しています。日本人建築家・重松象平氏(OMA)とのコラボレーションにより、84個のワードローブトランクが積み上げられた没入型のインスタレーションが展示されています。この展示は、オーギュスト・ロダンの作品「カテドラル」を囲むように配置されており、メゾンと日本の長年にわたる繋がりと、職人技への深い敬意を象徴しています。
ディオール:クチュリエの精神を伝える「愛の讃歌」
ディオールは、約400点の白いトワル(試作ドレス)を壁一面に並べた圧巻の展示で、メゾンのエレガンスとクチュリエの精神を伝えています。クリスチャン・ディオールが愛した「バー」スーツなども展示されており、クチュリエを志した彼の情熱を彷彿とさせます。日本のデザイナーやアーティストとの協業を通じて、伝統と革新の融合を力強く示しており、ディオールが受け継いできた「愛」の物語を体感できます。
「LADY DIOR AS SEEN BY」プロジェクトのために、世界的な建築家・妹島和世氏が手掛けた「レディ ディオール」も展示されています。
さらにデザイナー・吉岡徳仁の作品は、ディオールのエレガンスを象徴する白いトワルが並ぶ空間に、静かで詩的な美しさを加えています。
セリーヌ:日本の伝統工芸「蒔絵」と共鳴する特別展示
フランスパビリオンでは、セリーヌが日本の伝統工芸との特別なコラボレーションを展開しました。期間限定の特別展示「CELINE MAKI-E」では、セリーヌのエンブレムである「トリオンフ」モチーフが、石川県輪島市を拠点とするアーティスト集団「彦十蒔絵」によって漆芸で再解釈されました。木彫りのトリオンフに漆を塗り、松竹梅のモチーフを装飾したアートピースは、セリーヌのブランド精神と日本の美意識が融合した唯一無二の作品です。この展示は、漆職人とセリーヌの職人の間に生まれた強い絆を描いた映像作品とともに、モノづくりの世界における「愛」と「共鳴」を来場者に伝えています。
フランスの職人技と文化が日本の伝統の共鳴を表現!
フランスパビリオンは、建築とLVMHの一流ブランドの展示を通じて「愛の讃歌」というテーマを深く探求しています。ルイ・ヴィトンやディオールの常設展示、セリーヌと日本の蒔絵職人による特別なコラボレーションは、フランスの職人技と文化が日本の伝統と共鳴する様子を鮮やかに伝えています。