
タイのバンコクにある商業施設「the COMMONS(ザ・コモンズ)」で都市と自然の融合を体験する
観光都市として多くの人々が行き交うタイのバンコク。急激な都市化が進み人々の居場所も緑がある場所も減少している中、多くの人々が屋外での安らぎの場を求めています。そんな希望をまさに実現した地域密着型商業施設「the COMMONS(ザ・コモンズ)」が訪問者や地元の人たちにとって憩いの場となっています。
コミュニティ形成を主な目的としてつくられた「the COMMONS」
バンコク中心街から車で30分ほどのトンロー地区。多くの外国人駐在員が住んでおり高級住宅街としても知られています。大通りから一本小さな道に入ると、緑が茂る大きな商業施設「the COMMONS」が姿を現します。トンロー地区も大規模な再開発が進むなか、地域の人たちや労働者が集まるための空間やコミュニティを守っていこう、とのことでDepartment of ARCHITECTUREが設計し、2016年に開業しました。
全4階建ての「the COMMONS」は、15軒以上のさまざまな飲食店が集まるフードコートや、地元住民にとって2番目のキッチンになるというコンセプトの1階部分のマーケットなど、地元の人たちが集まる裏庭をコンセプトとして都市に開かれた商業施設です。
まるで公園のような共用スペース「The Ground」
「the COMMONS」にはオープンエアの共用スペース「The Ground」があり、ここから「the COMMONS」が始まります。
座席・植栽・小売店が一体となっており、ウッドデッキの階段・スロープを使って上階にいくことも下の階に行くことも可能です。
階段の踊り場にはところどころにクッションが敷かれ、各々がクッションに座って自由にくつろぐこともできます。
至るところにテーブルと椅子も設置されており、ある人は「the COMMONS」内の飲食店で購入したものを食べていたり、ある人はパソコンを広げて作業・仕事をしてそれぞれが思い思いに過ごしています。
建物そのものが自然な風の通り道
乾季だとどのホテルや商業施設の中でも冷房が強く室内が冷え切っていますが、「the COMMONS」はファサードを開放したオープンエアな空間なので、自然の風がさわやかに通り抜けます。
3、4階まで突き抜けた吹き抜けがあり、天窓下にある天井スクリーンに設置された巨大な工業用ファンを回すことで水平方向からも垂直方向からも風を通しています。自然な風が通るだけで、どんなに高温多湿な場所でも快適な空間に変えることができます。
シースルーのスチールメッシュが見せる各店舗のアイデンティティ
ファサードを開放したことで、各店舗のアイデンティティが異なるため建物が断片的に見えてしまうという問題が発生します。そこでファサードの上に薄いシースルーのスチールメッシュを貼り、各店舗の中を断片的に見せることで統一感のある表面にしつつ、軽快な外観を演出することに成功しています。
このスチールメッシュは夕方になると夕日の光が差し込み建物の外皮が浮かび上がり、光が消えると店舗の中の様子を見ることができ、どの時間に「the COMMONS」の中で過ごしても建物自体を楽しむことができます。
バンコクの市民に愛される癒しの場所「the COMMONS」
大人のみが楽しめる場所ではなく、子どもが遊べるカフェやジム、飲食店が入っている「the COMMONS」。幅広い世代に愛され、自然な風を取り込み多くの人たちの憩いの場所となっているこのコミュニティスペースは、これからも地元の人や観光客を惹き込んでいくことでしょう。
the COMMONS
住所:335 Akkhara Phatsadu Alley, Khwaeng Khlong Tan Nuea, Watthana, Bangkok 10110 タイ
電話番号:+66891522677
営業時間:8:00~25:00
URL:https://www.thecommonsbkk.com/