堀江貴文の長尺ワイド番組「ホリスペ!」 建築家・内山里江が語る住まいのポイントや、人気を集める「遊ぶための家」づくりについて

前編:「住まう人の習慣や思考を設計を通じて形にする」建築家・内山里江のデザインで大切にしているポイントや建築家になったきっかけについて

先日CROSS FMでのラジオプログラム「ライフスタイルメディア #casa」にゲスト出演頂いた「株式会社コモドデザイン」代表・内山里江さんが、実業家・堀江貴文さんがナビゲーターを務めるFMラジオ生番組「ホリスペ」に出演されました。内山さんの家づくりのコンセプト「遊ぶための家」には、堀江さんも共感されるポイントが多く見られたようです。(以下 内山=内山里江、堀江=堀江貴文、岡部=岡部来亜)

木造の戸建を中心に、楽しい住まいづくりを提案

岡部:建築家として数多くの建築設計を手掛けられている内山さんですが、改めてお仕事についてお伺いできますでしょうか。

内山:住宅の建築設計を中心とした設計事務所を営んでおります内山里江です。27、8年近く建築のお仕事をさせて頂いてます。

岡部:建築のこだわりやモットーを伺えますでしょうか。

内:私たちは木造の戸建住宅を中心に設計を手掛けています。ご相談にいらっしゃる方にはこれからお家を建てようとする若いご夫婦が多いです。そんな方々の趣味嗜好、ライフスタイルをヒアリングして、お家への想いを形にするように設計を行っています。家づくりは一生に一度の思い出ですので、楽しいと思ってもらえるよう常に意識しています。

キッチンにこだわったレジデンシャルホテルを実現したい

堀江:僕は家に関してはこだわりを捨てていったタイプなんだよね。というのも、仕事や趣味で色々とやらなければいけないことがたくさんあって、全部はできないじゃない。住まいについてこだわり始めるとお金も時間もかかるので、一切やめました。実際に今はレジデンシャルホテルに住んでいるので、インテリアについて考えることはあまりないんだよね。僕はレストラン事業もやっているんだけど、インテリアというと、そこでのこだわりがある種それかな。
あとは、将来的には料理をしながら泊まれるホテルのような宿泊施設を事業としてやりたいと考えています。例えばスコットランドにある人口約3000人程度のアイラ島に行ったことがあるんだけど、いわゆるちゃんとしたホテルがないんだよね。だから、エアビーで一軒家を借りて、食事もキッチンでみんなで料理したり。
北海道のニセコにもたまに行くんだけど、現地のホテルのほとんどが外資系で外国人がプロデュースしているから、キッチンのナイフとか調理器具のクオリティが今ひとつなんだよね。だから、最新のスチームオーブンや良い炊飯器なんかの調理器具にこだわった、こだわりのキッチンのあるレジデンシャルホテルを作りたいなと企んでいます。

イメージはビジュアルで共有することでスムーズな理解に繋がる

内山:素敵なアイディアだと思います。私の方でも、家づくりに際してまずはお客さまの暮らしに関するリクエストを頂いて、そうした理想から形づくるように仕事をしています。

岡部:リクエストを聞いてくださるとのことですが、最近特に多いリクエストなどありますか。

内山:ご自身でSNS やYouTubeなどからイメージ画像を集められたり、旅先で泊まったホテルで撮られた写真を参考にリクエストされることが多いですね。そういう意味だとホテルを参考にしたリゾートライクなデザインは人気が高いと言えるのかもしれません。

岡部:やはりそういったイメージがあると伝わりやすいのでしょうか。

内山:そうでうね。イメージを言葉で説明するのには限界があるので、ビジュアルで共有してもらった方がわかりやすいですね。ビジュアルを通して、お客さまの好きな感覚やテイスト、ライフスタイルで大切にしていることを一つひとつ拾い上げていくのが大事だと考えています。

家づくりはもっと自由でいい

建築家・内山里江の著書『家は南向きじゃなくていい』

岡部:今年4月に内山さんは初の著書「家は南向きじゃなくていい」を出版されました。ユニークなタイトルですが、どういった意図が込められているのでしょうか。

内山:よく家を借りたり買ったりする際に「南向きで日当たりがいいですよ」と、南向きを売り文句にされることが多くないでしょうか。そんな、南向き=良いといった考えが実は固定概念で、家づくりはもっとニュートラルに考えても良いんだよ、といった内容を書いています。

岡部:本の始まりには、「トイレとお風呂は広いほうがいい、窓が大きいほうがいい、和室はとりあえず作っておく、全てにバツ」と書いてありますね(笑)。

内山:全て◎だと考える方が多いと思いますし、実際お金で解決できることも多いのですが、ご予算もリクエストの中の大切な項目の一つ。まずは自分にとって、住まいにおいて何が大切なのかを考えることが重要です。

とはいえ、家づくりとなると皆さん色々な情報を集め過ぎてしまって、あの人がこんな家を建てたからこんな感じの家がいい、といった具合に主体的な家づくりができない場合が多いんです。でも、そういった周りに流された家づくりをすると後悔することが多いのも事実です。また、家は長く住むものなので、家族構成の変化によって住みづらくなってしまうこともあります。これから家づくりやリフォームをする方、住まいを変えてみようかなと考えている方の一助になれば、と思って書きました。

休むだけでなく、遊べる家づくりを

岡部:内山さんが建てる住まいのコンセプトの一つに「遊ぶための家」という考え方があるそうですが、これはどういったものでしょうか。

内山:堀江さんがおっしゃったように、遊ぶというとお店でお酒を飲んだり、サウナに出掛けたりする方も多いと思うのですが、そういった外ですることを家でしてもいいはずなんです。そういったお客さまの趣味嗜好を組み込んだ、遊べる家を目指した設計を行なっています。

堀江:僕はホームパーティ好きだから、昔キッチンが充実した家に住んでいた頃は毎週やっていましたね。リビングにおでんとかたこ焼きの屋台を作ったり、マグロの解体ショーをやったり。

岡部:特殊ですね(笑)。

堀江:マグロ1匹は難しいかもしれないけど、スーパーで買ってきた食材で料理したり、ワインを持ち寄ったり。良いレストランでワインを飲みながらご飯食べる方がよっぽどお金がかかりますよ。
目次をパラパラと見ていて共感したのは、「一軒家が寒いのは昔の話」。今の断熱性能ってすごいですよね。

内山:高断熱にすると、電気代が安いお家になるので、省エネルギーにするためにも必須の概念ですね。

住まいにまつわる常識をアップデート!

岡部:内山理江さんの初の著書「家は南向きじゃなくていい」。これまでの常識が覆されるようなアイディアがたくさん載っているので、ぜひ多くの方々にも読んで頂きたいですね。

内山:住まいに対しての色々なアイディアが詰まっていますので、お家を建てる方はもちろん、リフォームを考えていらしゃる方、賃貸に住んでいる方など、より良い住まいについて考えている方皆さんに、ぜひ書店で手に取って頂けると嬉しいです。」

固定概念に捉われない自由な家づくりを

内山さん初の著書「家は南向きじゃなくていい」のタイトルに現れるように、これまでの常識や周りの流行に捉われることなく、自分の好きを追求することで後悔のない住まいが手に入ると語る内山さん。家づくりに制限を設けることなく自由に発想することで、従来の住まいを超えた「遊ぶための家」が手に入るかもしれません。