震災からの復興で生まれた、DIYがコンセプトのグッドデザイン賞受賞の家具メーカー「石巻工房」

自宅で過ごす時間が増えた昨今。引っ越しや模様替えで、新しい家具を探している方も多いのではないでしょうか。
北欧風やインダストリアル風など好みのデザインで探すのも楽しい家具選びですが、育てるように楽しむ、自然の風合いが心地よい木のインテリアはいかがでしょうか。「グッドデザイン賞」も受賞した、シンプルでどんな空間とも馴染む〈石巻工房〉の愛着の湧く家具は、一生の相棒となるはずです。

東日本大震災からの復興を目指して誕生した〈石巻工房〉


〈石巻工房〉は、東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市沿岸部の商店街で誕生した家具工房です。地域の人々が自力で復旧や復興ができるように、建築家・芦沢啓治さんや現在工房長を務める千葉隆博さんを中心とした有志が、補修道具や木材を提供し、ものづくりを介したコミュニティの場となることを目指して2011年に設立されました。プロダクトは被災直後の現場でも対応できるよう、耐久性と強度があり加工性に優れた2×4規格のレッドシダーを主に使用されているのが特徴です。

製品を売るだけでなく、作り方も提供するDIY家具メーカー

製品の多くは地元の人たちとのワークショップを通して生まれ、被災を背景に生じた材料と技術の制約が、シンプルで機能的かつ愛着の沸くデザインを生みだしています。
また、アイデアやスキルを習得できるデザインワークショップも行っており、地元の高校生と屋外映画上映会のためのベンチを制作したり、アメリカの家具メーカー ハーマンミラーと協働で被災者とともに家具づくりのセミナーを開催したりと、家具の提供のみならず、人々が自ら作り上げる力作りの手助けも盛んに行なっています。
こうした一連の取り組みが国内外のメディアより注目され、2012年にはグッドデザイン賞を受賞。復興のためだけでなく、地元の人々が自立し運営していく産業として成長しています。

水産加工場だった建物を改修した工房

工房は数回の引っ越しを経て、現在の工房は4軒目。
元々は水産加工場だったという建物の地上から3.5m地点、2階のドアには津波の跡がいまも生々しく残ります。

どんな空間でも馴染むシンプルで機能的なデザイン


「DIY」をコンセプトに、特殊な材料や工具を一切使用せず作られた家具は、シンプルかつ機能的。住宅のみならず、ヤフーのオフィスやブルーボトルコーヒーの店舗などにも採用されています。どんなシーンにも馴染むデザインは、みなさんもどこかで見かけたことがあるかもしれません。

一生の相棒になる〈石巻工房〉の家具

自宅での時間を共に過ごす家具。せっかくならたくさんの思い出を一緒に刻める相棒のような存在にしたいですよね。木のあたたかな風合いが魅力の〈石巻工房〉の家具は、日々過ごすなかで段々と愛着が湧く、日常に欠かせない生活の道具となるはず。どんな空間にも溶け込むデザインを、是非暮らしに取り入れてみてください。