妹島和世がデザイン監修を務めた太平洋を眺める絶景の駅「JR日立駅」が美しい

茨城県日立市にある、東日本旅客鉄道・日本貨物鉄道常磐線の駅「JR日立駅」。

この日立駅は、全面ガラス張りによる橋上駅舎というインパクトのある建物で、日本でも屈指の“絶景駅”として知られています。日立市出身であり日本の建築家・妹島和世がデザイン・監修を担当しました。

太平洋の水平線を望む「JR日立駅」

建築家・妹島和世がデザイン・監修をしたJR日立駅。2011年に完成し、2014年には鉄道の国際デザインコンペ「ブルネル賞」でも入賞し、数々の賞を受賞しているJR日立駅の新駅舎。

まるで青空、そして海に浮かんでいるような全面ガラス張りの建築が特徴的な駅舎です。

日立駅は海岸沿いに位置しており、この見晴らしを壊さないために、建物を両面ガラス張りとしたそうです。駅構内からは、ぐるりとこの日立市の景色を楽しむことができます。

自由通路が線路をまたぐ構成となっており、妹島和世は、この日立駅を東西が一体となる新しい駅舎を提案したのです。

水平線上と並ぶピロティに乗っているガラス箱のような空間は、シーバーズカフェとして利用されています。直線的な駅舎に対し、ロータリーは曲線が描かれており対立構造が、美しい作りとなっています。

太平洋の水平線に吸い込まれそうな「展望イベントホール」

駅構内の自由通路の東側、先端にある「展望イベントホール」。

こちらは太平洋が一望できる絶好のオーシャンビュースポットです。妹島和世が代表を務める「SANAA 」がデザインをしたフラワーチェアが設置されています。

この自由通路によって、水平的に広がりながら、西口と東口、そして周辺施設が一体的な繋がりを持つようなデザインとなっています。

天井にはアルミのパンチングメタルが使用されており、外の光を反射し透明感と浮遊感を増幅させ、外部と内部の一体性を感じ取れるような内部空間が作り出されています。

全面ガラス張りの駅舎には、隅々まで自然光が届くため明るく洗練された空間となっており、広々と感じられる解放感を感じられます。

美しい日の出を眺められる「シーバーズカフェ」

駅構内、展望イベントホールの隣には、カフェ&レストラン「シーバーズカフェ」があります。こちらももちろんガラス張りなので、まるで海の上に浮いているような感覚を味わい、解放感をたっぷり感じることができます。

午前7時からオープンしているので、店内から美しい日の出を見ることができるのです。

この日立駅は、まさに絶景の「水平線に溶け込む駅」であるように、太平洋や自然環境に非常にマッチしている作りとなっています。駅構内、どこを歩いていても外の景色を楽しむことができ、訪れる人々がより“魅了的な街”と捉える一つのきっかけとなることでしょう。

JR日立駅

住所:茨城県日立市幸町1-1-1