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オレゴン・ガーデンに佇むフランク・ロイド・ライトの名作住宅「ゴードンハウス」

ポートランドから車で一時間ほどシルバートンという小さな街に巨匠フランク・ロイド・ライトが設計した住宅がある。

オレゴン・ガーデンにあるライトの名作「ゴードンハウス」は、ライトのファンだった農家だったゴードン夫妻のための住宅。元は違う場所にあったのだが、大掛かりな移設プロジェクトで現在の場所に移り一般公開されている。

自然と調和する住宅建築

近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトは「自然と建築との融合」を提唱し、自然と建築、人間が有機的に繋がる建築を目指した。最高傑作と言われる落水荘などを見ると良くわかるだろう。

このゴードンハウスでも落水荘などと同じように水平が強調され、自然に対して対比的な形態を取ることで自然と調和するデザインを成立させている。

屋根やテラスの部分が水平方向に伸びている。

自然と対峙する開放的な空間

低い天井のエントランスから中に入ると明るく開放的なリビングへ。移設される前もオレゴンの豊かな緑がある場所だったらしく、自然と対峙するオープンな空間がある。

ビルトインされた家具やタリアセンレッドと言われる赤い床などライトらしいデザインが随所に施されている。特に開口部に施したアメリカ先住民族の装飾からインスパイアされた透し彫りの木版は非常にユニーク。

リビング脇にある空間は機能的に配置された使い勝手の良さそうなキッチン。トップライトから自然光が注いでリビング同様に明るいスペース。

キッチンと並んだ部屋は現在は事務所として使われている。窓から見える緑が映える空間。

ヒューマンスケールを意識した空間

1階のもう一つのベッドルームは現在はレクチャールームとして使われ、ガイドツアーの最初に映像でゴードンハウスの移設プロジェクトの説明が行われている。ここもエントランス同様に天井の高さが抑えられ、落ち着きのある空間になっている。また、建具も床から天井までの高さで揃っているのでスッキリした印象もある。

2階に登ると階段に対して左右に1部屋づつ、2部屋ある。2階に高さを合わせて各部屋に設置された棚は、リビング部分の天井とも高さが揃っていて、室内空間でも水平方向のデザインが強調されている。

2部屋とも天井高は抑えながらも開口部が大きく、その分テラスの柵は高めにしてあるためプライバシーは守られる。

やはりベッドルームの天井高は低い方がヒューマンスケールとしても居心地がいい。

完全に開け放つことができる開口部で、自然と一体になったような空間を実現できる。

 

ゴードン夫妻は設計は依頼したものの費用が捻出できず、4年程貯金してからようやく建設し始めたので完成した頃にはライトは亡くなっていたのだそう。実質ゴードンハウスは、ライトの遺作になってしまった。それほどライトの建築は惚れ込むものなのだろう。

ゴードンハウスはそれほど規模が大きいものではないが、その分現代の暮らしと比較して住宅を見ることができるだろう。今となっては当たり前の技術は色々あるが、フランク・ロイド・ライトの見事な空間作りを体験できる貴重な住宅建築だ。

Gordon House – ゴードンハウス

開館時間:12:00~15:00
電話:+1 503-874-6006
URL : http://www.thegordonhouse.org
住所:869 W Main St, Silverton, OR 97381, USA

大前洋輔

大前洋輔

空間だけでなく色々なモノやコトのデザインをしています。

建築と美味しい食べもの、南の島々を探しによく旅に出ます。

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