フィナンシャル・ウィズダム代表・山崎俊輔が考える今だからこそ知りたい「お金との付き合い方」。

毎週月曜日、2週に渡ってゲスト対談をお届けしている福岡のラジオ放送CROSS FM「ライフスタイルメディア #casa」。今回ゲストとしてフィナンシャル・ウィズダム代表・山崎俊輔 氏を招き、今だからこそ聞きたい「お金のはなし」を詳しく話していただいた。

山崎俊輔とは

フィナンシャル・ウィズダムの代表を務める。

お金に詳しい専門家・フィナンシャルプランナーとして数々の執筆や講演を行ないながら、「老後に幸せになっていただくために今何ができるか」を中心にお金の付き合い方を提案している。

お金を「デザイン」するためには?

「しっかりはたらいて稼ぐ→無理のない範囲でお金を使う→残ったお金を貯めていく」。

この3つのサイクルをしっかり意識することが大切だと話す山崎 氏。中でも大切なのは「仕事をしてしっかりと稼ぐこと」と、それを「上手に使うこと」だという。

山崎氏はまず、できればパートなどではなく「フルタイムでしっかりと稼ぐこと」を推奨した。その上で「稼いだお金の範囲内で満足度が上がるように上手に使うこと」が重要だと考える。

何でもかんでも我慢するのではなく、生きがいのためにお金を使う。

年金問題やコロナ情勢など、先が不安な世の中は「お金を使うこと」を躊躇したくなる。しかし山崎 氏は「お金を使うことがなければ、何のために仕事しているの?」となってしまうことも大きな問題だと考える。

行き過ぎは良くないが、稼ぎに合った金額で「さじ加減」を考えながらお金を使うことは、生活・人生の満足度が上がることに繋がるのだ。

貯蓄に回すのは「収入の10%」を目標に

「お金を稼ぎ、さじ加減を考えながらお金を使う」。その「さじ加減」とは、どの程度なのだろうか?お金に詳しい専門家・フィナンシャルプランナーの山崎 氏は、ズバリ「収入の10%」と答えた。逆に「20%以上貯蓄できる人は、人生で全然お金に困らずに一生やりくりできる」とも添えたが、実際に20%以上の貯蓄するは相当大変だという。

山崎 氏は「安定的に10%くらい貯められると、来年の旅行計画、5年後の家の購入、10年後の子供の大学入学などに備えられる」と詳しくその内訳を述べ、我慢しすぎず、使いすぎない中で貯蓄ができる数値を明確に上げてくれているように感じた。

お金は使うためのもの、幸せを選ぶためのアイテム

キャッシュレスなどお金の在り方に変化を見せる昨今、「お金の存在はどう変わっていくか」という質問に対し山崎 氏は「キャッシュレスを上手に使いこなしていかないといけない時代」と答えた。キャッシュレスのシステムは便利でお得だが、だからこそ「お金でどういった満足を買うのか」を見失ってはいけないという。

お金は使うためのもの。しかし、逆に「いくらお金を使っても満足度が高まらない物は良くない」と山崎 氏は考える。つまり、自身が「お金を使うことで心が満たされるような出費」をすることが大切なのだ。

話題の「老後2000万円問題」について

去年、金融庁の報告書に書かれていたことで大きな話題になった「老後2000万円問題」。これからの「人生100年時代」に、一人当たり年間72万円の年金が足らないという問題だ。

この状況について山崎 氏は「ご飯を食べられない、服を買うお金もない、というわけではない」と言及した。なぜなら、今の年金生活者の「日常生活費」は、今回発表された年金と同額だという。

ではどういった分野で使うお金が足らなくなるのか?それは「教養・娯楽費、交際費」だ。山崎 氏は「月1回くらいは美術展へ行きたい」「年一回旅行へ行きたい」「孫にお小遣いをあげたい」といった部分のお金が足りていないと話す。

つまり、老後に年金がなく生きていけないのではなく「楽しい老後にしようと思ったら月5~6万円足りない」というニュアンスだということを勘違いしてはいけない。

この年金問題から改めて考えるのは「幸せをどうやって獲得していくのか」

老後の娯楽費を考えることで見えてくるのは「お金をかけないと得られない幸せ」についてではないだろうか?人生最後の娯楽を「少しお金があれば選択肢が増える」と捉えることも重要になってくる。

そもそも、日本の年金積立金(200兆円)は世界第2位であり、国の年金制度は破綻はしない。年金をもらい始める年齢も変化しないと山崎 氏は断言した。

しかし「年金水準が減る」ということは既に決まっており「物価が上がっても年金額は少ししか上がらない」ということも、これから数十年続くという。

その予測を知った上で山崎氏は「できれば今30代・40代の人々は、67~8歳まで働いて引退する人生計画ができると理想的」とアドバイスする。

山崎俊輔の「LIFE IS 〇〇」 

対談の最後には、ゲストそれぞれの「LIFE IS 〇〇(人生とは)」を尋ねるのがお決まりになっている。フィナンシャルプランナーの山崎 氏は、その質問に対し「LIFE  IS  MONEY」と答えた。しかし「マネーに支配されたり踊らされるのではなく、マネーを支配下に置くこと」だと話し、自分たちの生活の幸せを導くためにお金と向き合っていくように勧めた。

お金で満足度を高めながら人生をプランニングする。もちろん、そのためには働くことが必要不可欠である。しかし、働く先にある目的が「幸せ」と繋がる考え方は、新型コロナウイルス情勢で渦巻くこのご時世だからこそ、我々を前向きにするヒントになるのではないだろうか。

【4/6】山崎俊輔さん(フィナンシャル・ウィズダム代表)
【4/13】山崎俊輔さん(フィナンシャル・ウィズダム代表)