株式会社セブンセンス代表・吉田拓巳が語る、体験価値とデザイン

毎週月曜日、福岡のラジオ放送CROSS FMがお送りする立山律子の「ライフスタイルメディア #casa」。今回のゲストは、デジタルクリエイティブ企業「株式会社セブンセンス」代表取締役の吉田拓巳(よしだたくみ)さんです。

余白が新しいクリエイティビティを生む

株式会社セブンセンス代表取締役・吉田拓巳
株式会社セブンセンス代表取締役・吉田拓巳

現在、日本最年少社長として15歳の時に設立した「株式会社セブンセンス」、無料の配車サービス「株式会社nommoc」の代表取締役を始め、VJ(ビジュアルジョッキー)としても活躍する吉田さん。

Via : https://7senseinc.jp

暮らしの中で大切にしているデザインは、空間そのものであるそうです。中でも、シンプルでモダンな空間に惹かれ、余白を大事にしています。

最近、オフィスをゼロから設計した際も、余白にこだわり、そこから新しいクリエイティビティ、新しい発見があるのではないかと語ってくれました。そのオフィスは、吉田さんのお気に入りの空間になったそうです。

オンラインでも価値ある体験を

音楽ライブの模様
Via : https://7senseinc.jp/

暮らしの中のデザインが変わっていく現在、吉田さんの活動に変化がありました。今まで、音楽ライブやフェスなど、リアルな場所で、人がどう体験するかを設計していた中、今度はオンラインで、ただ映像を見るだけではない、体験として価値のあるものを設計できないかと日々考えているそうです。

吉田さんは、人の体験をより豊かなものにしたいと言います。テクノロジーを使って、ユーザーの体験価値を上げていくことに力を入れていると語ります。

「今、自分がやりたいこと」が発想の源

吉田さんは、今までに発信したネット擬似選挙サイト「Teens Opinion」、無料の配車サービス「nommoc」など、一見バラバラに見えるこれらに共通することが「今、自分がやりたいこと」であると語ります。

そして、自身の発想の源はひらめきではなく、普段の情報の積み重ねであると言います。脳内で蓄積した様々な情報から、キーワードを掛け合わせ、新しい発展に繋がるそうです。

趣味で始めた映像制作が現在の活動のきっかけ

学校で、将来の夢を書かされるのが嫌だったと語る吉田さん。社長も夢だったわけではなく、趣味の延長線であったと言います。

もともと趣味で始めた映像制作が、いつのまにか仕事に変化していく中で、社会と接点を持ち、人と何かをやることが重要であると気づいたそうです。学校生活では得られなかった、人と同じ目標に向かって何かをやるという体験が、会社の設立に繋がりました。

将来の夢を決めつけすぎたり、とらわれすぎたりせず、前に進みながら、この時何をやるのがベストなのかを日々考えているとのことです。

自身の会社においても、同じ会社の同じ形式で永遠に続けることよりも、時代にフィットさせていくことが重要だと語ります。

吉田さんの映像制作のきっかけとなったのは、父の友人の結婚パーティーでした。当時10歳だった吉田さんは、そのパーティーでプレゼントされた映像作品を見て、衝撃を覚えます。これまで、映画やテレビに触れる中で、映像作品というものは、ハイレベルなスタッフやスタジオ、莫大な機材によって制作されるものだと思っていた吉田さん。ひとりの人がサプライズで映像作品をプレゼントできることを知り、価値観が変わったと言います。

早速自分もやってみたいと思い、両親に買ってもらったパソコンを使って、家族旅行の写真や映像でスライドショー作ることから始まり、のちにCGをかけてみたり、のちにビジュアルジョッキーという映像をリアルタイムに構成して演出するような仕事をするようになったり、世界が広がっていったと語ります。

普段は交わらないもの同士つなげる空間をプロデュース

薬膳キッチンcopertaの店内
Via : https://7senseinc.jp/

福岡でも既に話題となっている天神の「CAITAC SQUARE GARDEN」や、その中にオープンした「薬膳キッチン coperta」の開発プロデュースを手掛けた吉田さん。

それには、漢方薬局とレストランという、普段は交わらないもの同士を、一つの空間としてプロデュースするというコンセンプトがあったと言います。

そこで、薬局はおしゃれな場所ではなく、長居したい場所ではないですが、ホテルのラウンジのような、最終的に薬局として機能し、漢方も買えて、そこで買った漢方を店内でそのまま食べられるというような見せ方を考えたそうです。

デザインも漢方=和、中華にとらわれず、スタイリッシュにまとめたと語ります。

人生は創造である

吉田さんは「LIFE is クリエイティブ」、人生は何かを作り続けることであると言います。

目まぐるしいスピードで変化する現代で、誰も想像できない時代や生活の変化のについていくためには、何かで自分を縛らずに、フラットな姿勢で世界を俯瞰して捉えた時に、自分が今フィットできることは何か、思考し続けること、創造し続けることが重要であると語ります。