平屋づくりの疑問を解決!世界の平屋住宅も紹介されている「夢を叶える平屋の家」発売!

かつての日本では主流だった平屋。洋式化が進むにつれて現代の住宅事情では2階建て以上が一般的となりました。

そんななか、若い人を中心に開放感があり、自由に部屋のレイアウトを決められる平屋暮らしに憧れを持つ人が増えているのです。

とはいえ、いざ建てようと思うと「広い土地がないと建てられないのでは?」「建設費がすごく高いのでは?」なんて不安がつのり、諦めてしまう人も多いようです。

平屋づくりは難しくない!頼りになるアイディアがぎゅっと詰まった一冊

そんな方におすすめな、平屋づくりのパートナーとなる一冊「夢を叶える平屋の家」ができました。

平屋を建てるのは、決してむずかしくないのです。多くの方が不安に感じる、広くない土地や、限られた予算のなかでも実現できる平屋をご提案。平屋にちょっと興味がある、住んでみたいけどなにから初めて良いのかわからない、そんなあなたにピッタリの一冊。

誌面では平屋の魅力を5つにまとめ、それぞれのメリットがわかりやすい5つの名平屋建築をご紹介。

5つの魅力と名作平屋建築

美しさ-beautiful-

平屋にはどんな時代が移り変わっても変わることのない普遍的な美しさがあります。どの角度から見ても洗練されて、余計なものを削ぎ落としたシンプルなつくりは、「引き算の美学」そのもの。建物の美しさに限らず、周囲の自然と一体化した絵画のような風景。光や風をダイレクトに感じられる平屋独特の空間の広がりなど、細部にわたって美しさにこだわっバランスの妙を感じられるのです。

世界一の美しさ「ファンズワース邸」

世界一美しい平屋と言われる建築の一つ「ファンズワース邸」は、シカゴの女性医師エディス・ファンズワースが仕事の忙しさと都会の喧騒から逃れ、ひとりの時間を過ごす週末住宅として、ミースファンデルローエに設計を依頼して建てられたもの。

鉄とガラスでつくられた高床式の建築はフォトジェニックなことで知られており、まるで森のなかに浮いているようにも見えるデザインが美しい一軒です。

設計を担当したミースが詠唱した「ユニヴァーサル・スペース」という場合は、柱や壁などの素材で限定せず、内部空間を自由に使えるようにするというもの。

それを住宅に閉じ込めた結果が、削ぎ落とされたディティールと物質的な要素を感じない、どこまでも透明なグリッドが続いていくような美しさとして表れています。

詳しくは『ミース・ファン・デル・ローエの建築思想が最も反映された傑作住宅「ファンズワース邸」

暮らしやすさ-functional-

家のすべての要素がフラットにつながる平屋は、部屋から部屋へ水平移動ができ、暮らしやすさの面でも理想の形です。

家事動線や生活動線の無駄がなくなるので、掃除や洗濯なども効率的に。家の細かいところまで目が届きやすいので、平屋に住んでから、自然に整理整頓ができるようになった人も多いようです。ものを厳選することにより、上質で快適な暮らしが実現できます。

日本の住まいの理想のかたち「聴竹居」

写真提供;竹中工務店、撮影;古川泰造

日本の伝統家屋と西洋のライフスタイルを融合させた、日本の住まいの理想郷といえる藤井厚二が手掛けた「聴竹居」。

やや奥まったところにあるいた魔の居室(リビング)からは、縁側を通して四季の景色を楽しめるようになっています。リビングと食事室、客室、縁側、毒素室は、ゆるやかにつながったひとつの空間であり、家族の気配を感じられるつくりです。部屋ごとに天井や床に高低差をつけることで、扉で仕切らなくても、それぞれの部屋の居心地の良さが保たれています。

心地よさ-comfortableness-

住まいの心地よさというのは、デザインや間取りもさることながら「ずっとこの空気を吸っていたい」と感じられる空気循環も大切な条件。横に広く、遮るものが少ない平屋は、窓を開けると心地よい風が家全体にいきわたる設計。そこには快適な暮らしだけでなく、家族の健康をケアできる室内環境があります。

バウハウスによる実験住宅「ハウス・アム・ホルン」

バウハウスの一般工房で選出された画家のゲオルク・ムッへがデザインした「ハウス・アム・ホルン」。

アトリウムのような高い天井のリビングを中心に、放射状に部屋が配置され、キッチンやベッドルーム、子ども部屋へのアクセスも計算されています。ハイサイドライトから自然光がたっぷり降り注ぐリビングは、屋内でありながら、まるで中庭にいるような心地よさを感じます。

キッチンは後にテキスタイル造形家として活躍したベニータ・オッテが設計。システムキッチンの元になったと言われるフランクフルト・キッチンに先駆けてつくられた、現代的なデザインと機能性の高さに驚かされます。

詳しくは『モダンなライフスタイルを提案したバウハウスの実験的住宅「ハウス・アム・ホルン」

楽しさ-fun-

間取りの自由度が高い平屋は、住みやすさもちろん、とにかく楽しさを重視したい人にぴったりです。家族や友人とデッキでバーベキューをしたい、大切なペットと暮らしたいなど、その可能性は無限。性別や年齢、家族構成に縛られることなく、それぞれの「楽しさ」を家づくりに反映させることができるのです。

ひとときの楽しい時間を過ごす「夏の家」

寒さの厳しい北欧の人々にとって、短い夏を楽しむための「夏の家」はとても大切な存在です。それは北欧建築の巨匠アルヴァ・アアルトにとっても例外ではなく、フィンランド・ユヴァスキュラ近郊の湖上の島に、自身が夏の間だけ過ごすサマーハウスを建てました。

高く茂った木々に溶け込むように配置された平屋。煉瓦造りの母屋、木造のゲストルーム、少し離れたところにはサウナ小屋や、自身がデザインしたボードガレージもあります。ここで夏の暮らしを楽しむアアルト夫妻の姿が想像できます。

詳しくは『その名も”実験住宅”?森の中に佇むアルヴァ・アアルトのサマーハウス「コエ・タロ」

家族思い-kindness-

日本の昔ながらの平屋は、家族のつながりを大切にする暮らしを形にしたものです。いつも家族の気配を感じられる安心感は、現代での進化し、洗練された平屋でも変わりません。家の中心にあるリビングや、地続きのウッドデッキには、いつの間にか家族が集ってきます。

コルビュジェが両親に贈った住宅「レマン湖の平屋」

近代建築の巨匠ル・コルビュジェは、レマン湖畔に建てた小さな平屋を両親に贈りました。「使用人もいらない、家族ふたりだけの家」をコンセプトとして設計されたこの家、リビングとダイニング、寝室が一直線に配置された採用源のシンプルな平屋です。

当時、コルビュジェの母は64歳。さらに年を重ねても不自由なく気持ちよく過ごせるように、設備も最小限の簡素なものです。64平方メートルと決しては広くはありませんが、夫婦二人にとってちょうどよく、暮らしやすいサイズだったに違いありません。

詳しくは『ル・コルビュジエが両親に贈った風景に溶け込む平屋住宅「レマン湖畔の小さな家」

平屋づくりに、まず読むべき1冊

本誌では今回ご紹介した以外にもある平屋の魅力に加え、間取りや収納、メンテナンスや防犯、そして費用面まで、平屋暮らしのぜんぶがわかる情報が盛りだくさん。

「限られた土地、予算で建てられるのかしら?」「平屋に興味があるけど、実際の住心地はどうなんだろう?」

そんな不安や疑問もこの一冊で解決。平屋づくりの第一歩に必読な一冊です。