建築家とともに”泊まれる資産”をつくるプロジェクト「Voyage Casa」とは?

憧れの空間を、手の届く資産として所有する。そして宿泊施設のオーナーとして、新たな価値を享受する——。「Voyage Casa」は、建築家とともに「宿」を手がけるプロジェクトです。所有と体験が交差する次世代の投資のかたちとして、いま静かに注目を集めています。今回は、その仕組みと魅力を紐解いていきます。

“泊まれる資産”を、建築家とともにつくる

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建築家・深瀬ヤスノリが手がけた、長崎県北松浦郡佐々町の1日1組限定の宿泊施設「然10」

端的に言えば、Voyage Casaは建築家とともに「泊まれる資産」をつくるためのディレクションチームです。1棟貸しのプライベートヴィラの建築から運営までを一貫してサポートし、企画から開業後の景色まで見据えながら、すべてを一本の線でつないでいきます。

建築家の創造力と、宿の現場で求められる実務。Voyage Casaは、その両者のあいだを行き来しながら、双方の言葉を翻訳していきます。たとえば空間の「余白」を美しさだけで終わらせず、清掃や収納、メンテナンス動線まで含めて設計に落とし込む。体験と運営を同時に成立させるための判断を、プロジェクトの初期から積み上げていくのが特徴です。

構想から運営まで、一本の線でつなぐ

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建築家・深瀬ヤスノリが手がけた、長崎県北松浦郡佐々町の1日1組限定の宿泊施設「然10」

Voyage Casaが伴走する流れは、大きく7つのステップで構成されています。まず事業目的や開業時期をディスカッションし、土地を探して予算や客層を定める「構想・事業設計」。続いて建築家が土地を実際に視察し、その立地を読み解きながら掘り下げる「プランヒアリング」。平面図案や模型、インテリアシートで世界観を共有する「プラン提案」。仕上げや設備を選別する「仕様書・見積精査」。コストを踏まえて資金計画を固める「プラン確定」。耐久性や納まりを確認しながら品質を管理する「着工・完工」。そして許認可や備品、保険、ゲスト対応の

文面までを整える「開業準備・運営」。

構想段階では「収支」と「体験価値」を同じテーブルにのせ、何にお金を使い、何を削らないかを言語化していきます。土地選びでは写真映えよりも先に、季節の風向きや太陽の動き、夜の暗さや周辺の音まで読み解く。数年後に価値が落ちる選択を避け、長く美しく保つ仕様へと整えていくのです。

「住まう」と「泊まる」の境界を往来する建築

「心が動く空間をデザインで届けたい」建築家の深瀬ヤスノリさん

このプロジェクトで多くの空間を手がけているのが、建築家・深瀬ヤスノリです。これまで数多くの住宅を世に送り出してきた深瀬さんが、近年取り組んでいるのが宿泊施設という新しい領域。「所有して一生住まう建築」と「利用して一日を体験する建築」、その二つの軸を行き来しながら考え続けるという感覚が、Voyage Casaの根底に流れています。

同じ空間であっても、一日という単位で切り取ってみると、暮らしとは少し違う輪郭が浮かび上がってくる。寄り添う部分もあれば、少し距離を置く部分もある。その中間にあるものを建築としてどう受け止めるか——そこが深瀬さんの出発点だといいます。一般的なラグジュアリーという言葉にはあえて距離を置き、これまでの旅館やホテルで感じてきたちょっとした違和感を受け止める場所をめざす。人のサービスがなくてもいい、自分たちだけで時間をゆっくり使いたい。そんな感覚の延長線上に、この建築は立ち上がっています。

オーナーの思いが、形になる場所

玄界灘の漁港町に静かに佇む、建築家が手がけたサウナ付き一棟貸しヴィラ「octoporto(オクトポルト)」

Voyage Casaが生み出す宿には、オーナー一人ひとりの思いが宿っています。たとえば2025年に佐賀県唐津市呼子に誕生した「villa OCTOPORTO yobuko」。仕事に追われるなかで、自分を静かに解き放てる場所がほしい。そして大好きな唐津や呼子の魅力を、もっと多くの人に知ってもらいたい。そんなオーナーの願いが、建築家との出会いを通して、ひとつの宿という形になりました。許認可の取得から開業まで、わからないことを一つずつ確かめながら進める時間は、大変でありながらも喜びに満ちたものだったといいます。

フォースプレイスという、新しい選択肢

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建築家・深瀬ヤスノリが手がけた、長崎県北松浦郡佐々町の1日1組限定の宿泊施設「然10」

「宿に泊まる」という行為は、単なる消費ではなくなりつつあります。全国の都市やリゾートを「数字」と「体験」の両面から見続けてきた投資家・田中渓さんは、宿やヴィラを利回りや稼働率だけでは測れない価値として捉えています。家や職場、カフェのようなサードプレイス。そのさらに一段上にある、自分が所有して暮らすように滞在する「フォースプレイス」。一つの拠点に縛られず、新しい暮らしの場所を持つことは、心の豊かさにつながっていく——。所有することの意味が、静かに更新されているのです。

美しい建築を所有し、それを世界中の旅人と分かち合うVoyage Casa

美しい建築を所有し、それを世界中の旅人と分かち合う喜び。そして、それが確かな資産として未来へつながる安心感。Voyage Casaは、建築というハードウェアをつくるだけでなく、人生を豊かにするソフトウェアをつくるプロセスとも言えるでしょう。自身の美学を形にし、次世代へと受け継がれていく”泊まれる資産”。その第一歩を、信頼できる伴走者とともに踏み出してみてはいかがでしょうか。