「casa sky」誕生秘話インタビュー・屋上をコアにした家づくりの全貌とは?

「casa sky」の誕生秘話について全4回に渡り、株式会社 the HOUSE代表の梅村和利氏と、株式会社PASIO代表の岡崎富夢氏に伺っているインタビュー。第3回目の今回は「casa sky」のコアであるラグジュアリーテラス「COLORS」と屋上を中心とした家づくりについて伺った。

【梅村和利】株式会社ザ・ハウス (the HOUSE) 代表取締役。1972年生まれ。大学の経済学部を卒業後、税理士事務所やプラント関連の建設会社勤務などを経て、2004年、新栄クリエイト(現・株式会社ザ・ハウス)を創業。「本物の環境にやさしい家」を目指してブランド「the HOUSE」を立ち上げ、100棟を超える住宅の設計、建築、リノベーションを行う。また、戸建賃貸「casita」を開発し、そのコンセプトと住宅としての性能の高さが評価され、2012年より本格的に全国販売が開始される。

【岡崎富夢】1977年1月23日、山口県出身。株式会社PASIO代表取締役。日本に「ラグジュアリーテラス」を広め生活を豊かにしたいとの思いから株式会社PASIOを創業、住宅用屋上テラス「COLORS」の開発・販売・施工を行う。

屋上空間の活用、ラグジュアリーテラスとは

__リゾートのどの様な要素を抽出し、形にしていきましたか。

富夢:「COLORS」に関しては、前の会社を辞めてゼロベースで屋上を考えるきっかけになりました。順序としては、神戸の今のオフィスを借りて36平米の何も無い状態の屋上を見てから、「COLORS」が出来ました。 その屋上を見て、ある施主さんから注文をいただき、4人家族が日常的に使う屋上をもう一度ゼロから考えていきました。

だから、「COLORS」は商業向けでは無く個人住宅用なんです。4人家族とゲストが時々来て、夜使ったり週末に使ったり、リゾートのようにくつろいで使ったりと、そこで起こるシーンを考える中でスリーゾーンコンセプトになっていきました。

各スペースが美しく配置された屋上空間。COLORSによって生み出された特別な素材や固定方法(特許取得)により、天候によって家具の出し入れをする必要がなく、屋上空間を最大限活用できる

シンクやバーナーコンロが備え付けられていて、そのままソファダイニングで食事できる”キッチン&ダイニング”、景色を見ながらお酒を楽しむ”ホームバー”、リゾートさながらに寛げる”リラクゼーション”の3つ、それとやっぱりリゾートといえば水辺がいりますよね。夏はプールとして使え、冬は露天風呂として使えるスカイバスを備え付けています。

ゾーニングを屋上でしているという、このスリーゾーンコンセプトが唯一「COLORS」だけが持っているものなんですね。 リゾートでのルーフトップの活用って、世界中見て回ってもプールかバーかレストラン、またはリラクゼーションなんですよ。結局このどれかに当てはまりますね。これらの機能を4人家族で使えるように閉じ込めたのが「COLORS」なんです。

これは、自分の経験から色々な行ったところをもう1回見返して、屋上はどう使うのが良いのかを導きだした答えでもあります。

今までにない屋上をコアにした家づくり

__富夢さんの屋上の使い方へのソリューションを梅村さんは受け止めて進めていったんですね。

梅村:屋上に関しては、「COLORS」という日本で一番デザイン性が高くてコストパフォーマンスが高いラグジュアリーテラスを富夢さんが商品として持っていたから、あとはこれを最大限に生かす間取りだったりとか、屋上にアクセスが良いような、屋上をコアとした家づくりをしていきました。

決してローコストの家にポンと屋上をのせました、ではなくて、「casa sky」として1つのパッケージで動線や性能、価格を含めて、屋上のある家が欲しいという人には、「casa sky」が一番良いですよというような商品を作ろうと思いました。コンセプトを揺るがされちゃいけないなと。

富夢:梅村さんが「casa sky」のクオリティの管理をやってくれたと僕も思っています。開発や設計の方とやりとりをしてくれたおかげで、外観も屋上に合った仕上がりになっているし、性能も過不足ない。最初の原案と相当違うんじゃない。

casaシリーズらしいシンプルな外観。屋上のスカイバスの天蓋がアクセントになっている。

梅村:予算に関してはどうしても地道で、下からの積み上げみたいな、バックグラウンドの作業だったりとか、あとはデザインに関しては家全体として美しいデザインも必要だし、当然生活の場だから利便性とか住み心地とか住みやすさも設計を担当する建築家とディスカッションして詰めていきました。あとは、これをどうやって全国に広めていくかといのはcasa projectとcasaの他のコンテンツとのブランドマトリックスだったりとか、企画段階から会議に会議を重ねてやっていきましたね。そういう意味では、交通整理の様なことをやっていましたね。商品化に携わった色んな人の持っているリソースの集大成が「casa sky」なんじゃないかと思いますね。

富夢:自分も建てていいと思うもん。過不足ないよね。

__そういった面では「casita」から繋がっているところが大きかったのでしょうか。

梅村:やっぱり、価格というのも大事な要素ですよね。屋上付きの家を買ったから、子供が大学行けない…とかなると本末転倒だから。(笑)こんなラグジュアリーな空間が、無理のない価格でというのを実現しないと世に広まらない。この屋上空間や屋上のあるライフスタイルを、富裕層だけの特権にしてしまはないようにコストパフォーマンスを重視しましたね。

富夢:最初「casita」にボンと乗ってくるのをイメージしていたけど、「casa sky」という1つのパッケージで登場したから 感動しました。

__富夢さんは先ほども、そう仰っていましたね。(笑)

富夢:僕はそれで良かったんですけどね。(笑)むしろそれでいいんじゃんって。 でも、きちっとした価格で、きちっとしたデザインで出て来たなって感覚ですね。

 


両者のこれまでのノウハウを持ち寄ることで、ラグジュアリーテラスが最大限活きてくる家づくりが成立した。屋上という空間をいかに豊かに活用するか、という問いに新しい答えを出した「casa sky」。次回はリーズナブルな価格設定だからこそ実現できる運用の可能性についてお話しを伺う。