ひとつながりの心地よさで、暮らしを「解く家」は建築家による内に開いた平屋の住まい。
この住まいは、従来の暮らしで感じていた不自由さをひとつずつ解きほぐし、家族が自然と集まり、思い思いの時間を心地よく過ごせるよう計画されました。そのため、どこにいてもゆるやかに家族とのつながりや開放感を感じられます。
外に閉じ、内に開く平屋の外観

この住まいの外観は、白を基調としたシャープなフォルムが特徴です。道路側には開口をほとんど設けず、外からの視線や雑多な情報を自然に遮る静かな住まいをつくり出しています。
一方で、建物の内側に面する方向には大きな窓が広がり、外観との対比が生み出す安心感が魅力です。周囲の視線を気にせず、庭の緑や空の光を自分たちだけの風景として取り込めます。
ガレージから玄関へつながる、雨の日も快適な動線

ガレージは十分な広さが確保されており、車の乗り降りがしやすいゆとりある空間です。さらに、ガレージから玄関へそのままアクセスできる設計のため、荷物の多い日や雨の日でもスムーズに出入りができます。
暮らしの細かな不便を取り除くために、建築家が丁寧に計画した毎日を快適に過ごせる動線を実現しました。
開放感と収納力を兼ね備えた玄関

玄関は広々とした開放的なつくりで、家に帰ってきた瞬間に心がほどけるようなゆとりを感じられます。
隣には大容量のシューズクロークを配置しており、靴やアウトドア用品、ベビーカーなどが収納できます。
必要なものは玄関で完結するため、整理がしやすく散らかりにくい空間が魅力です。
光と景色を取り込む、心が解放されるキッチン

キッチンは、横いっぱいに広がる大きな窓が特徴です。自然光がたっぷりと差し込み、料理の時間がすがすがしく感じられる明るい空間に仕上がっています。
外の景色がパノラマのように広がることで、作業中も開放感が生まれ、平屋ならではの横の広がりが心を軽くしてくれます。
また、キッチンの先には洗面やランドリールームが一直線に配置され、動線がスムーズです。生活のストレスを解く配置計画が細やかに考えられている点も、この住まいの大きな魅力です。

キッチンの後ろに設置された、収納スペースは、スライドドア付きであるため、さっと目隠しが可能です。来客時でも生活感を出さずに整った印象を保てます。
また、コンセントも計画的に配置されており、家電の使用や作業がスムーズに行える点も魅力です。依頼主が望んでいた、庭を眺めながら料理できる開放感はそのままに、建築家が用途に合わせて見せ方を変えられるキッチンを丁寧に形づくりました。
ゆったりと使える大きな洗面台・ランドリールーム

洗面台は横に大きく広がり、家族が並んで使えるほどのゆとりがあります。朝の準備が重なる時間帯も、気持ちに余裕が生まれる快適な設計です。大きな鏡と柔らかな木の素材が、毎日の身支度を気持ちよくしてくれます。

さらに、その奥には広々としたランドリールームを配置しています。部屋干しスペースとして十分な広さがあり、天候に左右されないのが嬉しいポイントです。
窓から自然光が入るため、室内干しでも気持ちが沈まず、明るく軽やかな気分で家事が進みます。
どんな暮らしにも寄り添う多目的なフリールーム

フリールームは、空間ごとに役割を固定するのではなく、どこにいてもゆるやかにつながりを感じられるように設計されています。廊下のように見えながらも、家族が自由に活用できるスペースが魅力です。
また、横長の小窓からは自然光がやわらかく差し込み、長時間過ごしても心地よさが続きます。このようなスペースは、用途を限定せず、暮らしに合わせて伸びやかに使える余白として、この家全体の一体感を高めています。
ひとつながりの心地よさで、暮らしを解く家
この住まいは、ただ便利さを追求しただけの住宅ではなく、暮らしのストレスや動線の滞りを丁寧にほどき、家族が自然に心地よさを感じられるよう設計されているのが特徴です。
ガレージから玄関、キッチン、リビングへと流れるようにつながる動線、どこにいても家族の存在を感じられる一体的な空間、そして日常の中でふと自然や光に触れられる余白が、住む人の時間をやさしく整えてくれます。
それぞれの場所が独立しながらもゆるやかに結びつくことで、料理や家事、くつろぎの時間がスムーズに連動し、住まう人の気持ちを軽くしてくれる構成に仕上がりました。
皆さんもぜひ、住まいづくりの参考にしてみてはいかがでしょうか。