「これまでにない出会いや発見を生み出す空間にしたい」アラウンドアーキテクチャー代表・佐竹雄太が語るYouTubeチャンネル設立の経緯や今後の目標について

前編:「不動産業は建築業界を支える立場でもある」アラウンドアーキテクチャー代表・佐竹雄太の好きなデザインや会社設立の経緯について

「建築のまわりで、建築をシコウする」をテーマに掲げ、“建築のまわり”を専門領域とするクリエイティブカンパニー 株式会社アラウンドアーキテクチャー代表取締役・佐竹雄太さん。建築系YouTubeチャンネル「ペリカンのナカミ」共同運営、不動産サイト「建築家住宅手帖」編集長など、幅広い形で建築にまつわる情報を発信しています。今回は佐竹さんに、YouTubeチャンネル設立の経緯や今後の目標について伺いました。

エンターテインメントに建築を絡めて、多くの人に届けたい

建築のデザインではなく、「建築の面白がり方をデザインする」をコンセプトに建築系YouTubeチャンネル「ペリカンのナカミ」を運営されていますが、どういった番組なんでしょうか。

「“建築”と聞くと難しいもののように感じる人が多いと思うのですが、実際は建築というものはすべての人にとって身近なものです。それに興味を持ってもらうために、エンターテインメントの中に建築の要素を入れることで、色々な人に見てもらえるチャンネルを作りたいと思って、YouTubeチャンネルを立ち上げました。」

ペリカンのナカミやアラウンドアーキテクチャーとしての活動のみならず、建築ラッパーという顔もあるのですね。

「建築ラップという建築に関することを歌うヒップホップの音楽を6年前くらいからやっています。ヒップホップが高校生の頃から好きで、大学に入って友人とクルーを結成したのですが、社会人になってからはそこでの活動も無くなってしまいました。

改めて自分で何かを歌いたいなと思った時に、建築とヒップホップを掛け合わせるのは面白いのではないかと思って始めました。多くの人に建築というジャンルを堅苦しくなく面白がってもらうために、現在も様々な形で活動を続けています。」

建築の価値をしっかり伝えて、次の住まい手に渡したい

佐竹さんは中古の建築家住宅だけを専門に扱う「建築家住宅手帖」という不動産サイトの運営もされていますが、こちらはどういったものなのでしょうか。

「一般的に建築家が設計した住宅が売りに出される際、それを査定するのは不動産業界の方々なのですが、築年数や広さなどわかりやすい指標で価格を決めてしまうことが多く、その魅力をうまく引き継げないことに問題意識を感じていたことが設立のきっかけとなっています。

建築家がこだわりを持って作った住宅の魅力を余すことなくしっかりと伝えて、その価値を理解した上で欲しいと思う人にマッチングできたら、という考えから『建築家住宅手帖』は始まりました。」

新たな発見の場を生み出し続けたい

photo : 加藤健介

建築ラッパーからコーヒースタンド運営まで、多様な活動をされている佐竹さんですが、今後チャレンジしてみたいことはどういったことでしょうか。

「最近、色んなお店の人たちで棚をシェアして、コンビニ的な場所を目指す『みんなのコンビニ』というお店を始めました。これまでにない出会いや発見が生まれるような新しい空間となるよう今後も力を入れていく予定です。

また、アラウンドアーキテクチャーとしては、建築家に設計を頼むということが、一般的な家づくりの選択肢の一つに挙がるように、漫画やアニメ、アプリケーションなど様々な方法・領域でコラボレーションをすることで、多くの人に建築の魅力を知ってもらえるよう活動の幅を広げたいと考えています。」

やらなきゃいけない環境が次の挑戦に繋がる

アラウンドアーキテクチャー代表として、またラッパーや不動産サイトの編集長として、様々な立場から建築の魅力を発信する佐竹さん。そんな佐竹さんにとってライフイズ〇〇の〇〇に入るものは何でしょうか?

「“環境”です。僕はめんどくさがり屋なので、やらざるを得ないような環境に追い込まれないと動かないんです(笑)。人を巻き込んだり海外に行ってしまったり、やらなくてはいけない環境を自分で作り上げていくことでこれまで色々なチャレンジができてきたので、これからもそうした環境に自分で身を置いて、挑戦を続けていきたいです。」

様々なかたちで建築の魅力を伝えたい

住宅サイトやコーヒースタンドの運営、ラッパーときにはユーチューバーとして、幅広い形で建築の魅力を発信する佐竹さん。ユニークな視点で生み出されるプロジェクトの数々は、今後も多くの人を巻き込みながら、次の挑戦へと成長を続けていくようです。