隈研吾が手がけた、太宰府の伝統と現代性が融合したスタバの釘を1本も使わない木組みの美しい空間。

建築家の隈研吾は、国内外問わず多くの受賞歴があります。彼の特徴は、その土地の環境や文化に溶け込んだ建築を常に探究し、人間に優しいデザインです。そんな隈研吾が2011年に設計したのが、スターバックスコーヒー太宰府天満宮表参道店です。

2000本のスギを使用し、釘を1本も使わない木組み

参道にある、一際目を引く和テイストのスタバ。隈研吾は「太宰府天満宮の歴史ある雰囲気を壊さないデザイン」をイメージし、釘を一切使わずに木材のみで作り上げることに決めました。

長細い敷地を考慮して、光と風が流れるように約2000本使用して杉材をななめに組み、有機的な空間をつくりました。木組みは温かみがあるだけでなく、筋交いとして建物を支えるため、建築自体を強固にします。内部空間を覆い尽くす木組み材の全長は4kmにもおよびます。

自然素材による伝統と現代の融合

入り口から店内にかけて伝統的な木組みが奥までシームレスに続きます。

隈研吾の共通するコンセプトである「自然素材による伝統と現代の融合」のもとで織りなされた空間は木の温もりと自然的な開放感で満たされ多くの人を惹きつけます。

庭の奥に植えられた太宰府天満宮のシンボルである梅の木

入り口と奥は、どちらも全面ガラスになっており、前庭と奥庭に挟まれることで、視線が抜けていく開放感を感じる設計になっています。

太宰府天満宮には樹齢千年を超えるご神木の白梅があることで有名です。隈研吾は土地にある文化と、自らデザインする建築物の調和を考えた上で、大きな窓から梅の木を眺められるようにと考えました。

そこから陽の光が差し込むことによって店内が自然の光に包まれるような設計が施され、必要以上に照明を使わなくても十分明るくなるようになっています。

外と中との境界を排してつながりをデザインした空間

奥庭にが太宰府天満宮のシンボルである梅の木を植えることで自然とのつながりを感じる場であるとすれば、前庭は参道と面していることで街とのつながりを感じる場所になっています。

こうしてこの世界に一つしかない美しいスタバは、環境への配慮を含めて細部にまでこだわり抜かれた伝統と現代を融合させた意匠設計によって生まれました。太宰府天満宮の歴史と、現代の技術を組み合わせた太宰府天満宮表参道店ならではのデザインです。

スターバックス コーヒー 太宰府天満宮表参道店

住所 : 福岡県 太宰府市 宰府3-2-43
電話 : 092-919-5690
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