エースホテルの海外進出第一号「エースホテル・ロンドン・ショーディッチ」を振り返る。
ホテル業界で唯一無二の存在を示す、ポートランド発のデザイナーズホテル「エースホテル」。全米に10カ所に拠点を構える彼らの海外進出第一号こそ、イギリス・ロンドンにある「エースホテル・ロンドン・ショーディッチ」だ。しかし今年、コロナによる感染拡大を受け、エースホテル・ロンドン・ショーディッチは廃業を決意。惜しくも取り壊しが決まった「ホテル業界に革命を起こした」と言われるホテルの空間デザインを、改めて振り返ってみる。
ホテル業界に革命をもたらした「エースホテル」グループ
在ポートランドに本拠地を構え、全米10ヶ所に系列ホテルを展開するホテルグループ「エース」。ホテル業界のファッションリーダー的存在としてホテル業界のみならず、デザイン・ファッション業界でも知らないものはいない。
2019年には京都に「アジア初進出」となるエースホテルが誕生。その監修を、建築家・隈研吾氏が担当したことでもさらに話題となっている。
海外進出第一号「エースホテル・ロンドン・ショーディッチ」
ロンドンで「若者の街」と言われるショーディッチ地区。ここにエースホテルの海外進出第一号である「エースホテル・ロンドン・ショーディッチ」が存在した。
ホテルといえばエレガントでラグジュアリーでハイエンド。しかしこのエースホテルはその価値観を新しくも一掃し、2014年には「ホテルデザインアワード」で大賞を受賞。「ホテル業界に革命を起こした」と存在感を世界へと知らしめた。
しかし今年、ヨーロッパでも猛威を振るった新型コロなウイルス感染症の拡大影響を受け、ここ「エースホテル・ロンドン・ショーディッチ」の廃業を発表している。
カジュアルでオープンな雰囲気の空間
エースホテルらしいカジュアルでインダストリアルな雰囲気が印象的な館内。創設者の意向である「人と人との繋がり」を感じさせる環境づくりで、ホテル内にはワークスペース、レセプション、カフェやレストランが併設されている。
今までのホテルの概念を覆すカジュアルでフレンドリーなスタイルのロビーエントランスはまさに「革命」だろう。
フリーの高速wifiを求めて、エースの代名詞とも言える「ノマドワーカー」がラップトップを抱えて訪れる。ホテル業の域を超えて、コミュニティースペース、地域密着、そして関わりを大切にしている空間は、今までの概念をひっくり返し、新しい豊さを与えている。
レストラン「Hoi Polloi(ホイ・ポロイ)」
併設されているレストランホイ・ポロイは、ロビー環境同様に地元の人が積極的に利用しているのが伺える。ホテル内のレストランのイメージを覆す、カジュアルでパブ的な空間のレストランで味わうのは、ロンドン名物「ステーキ&シチューパイ」とご当地ビール。
コロナ廃業を受け、併設されたお洒落な店舗も閉店となってしまうのかは定かではないが、ここでしか楽しめないその味を堪能してみてはどうだろうか。
エースホテルが初めて手掛けた海外ホテル「エースホテル・ロンドン・ショーディッチ」。全米10ヶ所にあるエースホテルと比べて、ロンドン的なデザインとショーディッチらしい地域性を反映した「新しいホテルの形」は、当時唯一無二で面白さが衝撃的だったのだと感じる。
昨今誕生したアジアエリア初となるエースホテル京都。彼らの日本で魅せるデザインと建築家巨匠と知られる隈研吾のコラボレーションもぜひ体験したいものである。
Ace Hotel London – エースホテル・ロンドン・ショーディッチ
電話:+44 20 7613 9800
URL : https://www.acehotel.com/london
住所:100 Shoreditch High St, London E1 6JQ UK