メキシコの「ルイス・バラガン邸と仕事場」から見る、光と色彩

照りつける太陽、陽気なラテンミュージックで我々を歓迎する中米・メキシコ。実はメキシコには、ここでしか見られない彼ら独自のセンスが光る建築物が多く存在する。中でも、有名なメキシコの建築家といえば「ルイス・バラガン」。今回は、彼が生前に生活をし、仕事をしていた自邸を覗いていく。

メキシコを代表する建築家、ルイス・バラガン

Via: Wikipedia.

建築家ルイス・バラガンの作品は、水面や光を大胆に取り入れ、色彩の強い壁面を使う特徴があることで有名だ。

独学で建築を学び、世界を旅しながら様々な知識を広げたこともあり、型にはまらない設計やデザインで建築業界から大きく注目を浴び、1980年には建築のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞している。

世界遺産「ルイス・バラガン邸と仕事場」

1976年の作品展で世界デビューを果たしたルイス・バラガン。実際に生活をし、作業をしていた自邸「ルイス・バラガン邸」と隣接するアトリエ。ここは、2004年に世界遺産に登録されている。

十字を描くサッシの大開口が特徴的

「ルイス・バラガン邸と仕事場」で一番の見所は、十字を描いたサッシが印象的な大開口。このデザインは、敬虔なキリスト教信者だったスイス・バラガンの意向が忠実に作品として表現されている。

この美しい大開口を見て設計に大きなインスパイアを受けたことで知られるのは、日本の建築士巨匠・安藤忠雄。彼の名作「光の教会」の原点にもなっている。

無機質な白壁と木のフローリングというシンプルな構成に、凛とした趣のあるシルバーのサッシが空間にメリハリを効かせている。採光と反射すればホワッと照らされ、そこから庭の緑がに見える様はまさに幻想的で息を飲む美しさだ。

リビングとアトリエが一つに繋がる、モダンな空間

天井の高いワンフロアに、リビングと仕事場が繋がり、開放的で心地が良い。そこには、ダンなインテリアとカラーリングでデザインされた空間が広がり、クオリティ高く洗練されている。

壁を反射板のように使い、効率的に光を集めた設計にも注目したい。所々に控え目に設けられた小口のような穴からも光がスッと差し込み、フロア全体を暖かな光彩で包み込んでいる。

当時のヨーロッパのモダニズム建築の住宅に、どこかメキシコらしいデザインがうまく寄り添い、その両者が何とも絶妙に絡む。

バラガン独自の色彩が施された屋上空間

屋上に上がると、バラガン独自の「色彩」がダイナミックに施されている。ピンクの壁面に緑や石のタイル張りのコントラストがパキッと整う空間が清々しい。それぞれのカラーリング配置は、メキシコの強い日差しがの反射を考えて緻密に計算されている。

ハイライトである十字架のサッシは、外から見ると限りなく薄く作られており、外と中がシームレスに見えるような作りに。その境界には違和感がなく、実に美しい。

 

バラガンだからこそできる光と彩りを操るモダン空間

単純な構成空間にダイナミックに施されたカラーリングには、緻密な採光の計算とメリハリがある。ここは正にバラガンの「自邸」、彼しかできない色彩感覚とモダンな空間デザイン、インテリアコレクションが詰まった場所であった。

ルイス・バラガン邸と仕事場 Casa Estudio Luis Barragán

開館時間 : 10:00~17:00(予約制)
URL : http://www.casaluisbarragan.org
住所 : General Francisco Ramírez 12-14, Miguel Hidalgo, Ampliación Daniel Garza, Amp Daniel Garza, 11840 Ciudad de México, CDMX, Mexico