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妹島和世設計の「すみだ北斎美術館」で世界に誇る葛飾北斎浮世絵を愉しむ

墨田区の両国駅近くにぽつんと現れる建物。まるで現代アートを展示しているようなモダンな雰囲気を持つこちらは、実は著名な浮世絵作家、葛飾北斎の作品を展示する美術館なのです。今回はこちらのすみだ北斎美術館をご紹介します!

下町にぽつんと現れる宇宙船?

葛飾北斎が生まれ育った地、墨田区に建つこちらの建物は妹島和世氏が設計を担当。構想から約30年、財政問題、東日本大震災など様々な障壁によって先送りとなるなどの紆余曲折を経て、2016年11月に完成しました。

近代的ながらも街に溶け込むデザイン

鏡面のアルミパネルを使用した外壁は、宇宙船のような近未来的な佇まいながら、柔らかく周りの風景を映し、不思議と下町であるこの地に溶け込んでいます。曲線を持った外壁は見る角度で表情が変わり、変化を続ける外観がとても美しく、ついつい見入ってしまいます。

スリットが立体感をもたらすアプローチ。周囲のどこからでも出入りできるよう正面を設けていない構造は、地域に開放された美術館という妹島氏のコンセプトを現しています。

限られた空間を最大限に活用

4階建ての建物は1Fが受付&売店、2Fが事務所、4Fが常設展、特別展入口、3Fが特別展、地下にロッカールームといった構造で、階の移動はエレベーターのみ。限られた空間を最大限活用した作りとなっています。

4階展望ラウンジからは入口手前の公園から、東京スカイツリーといった墨田区の特色を眺めることができ、鑑賞中の休憩にぴったり。

年代で見る北斎の生涯

展示室の入り口には白黒写真をもとに復元した「須佐之男命厄神退治之図(すさのおのみことやくじんたいじのず)」が飾られています。モダンな空間の中で、鮮やかな葛飾北斎晩年最大級の傑作は独特な存在感を放っています。

常設展示室内は、北斎と墨田区の歴史を振り返る1「すみだと北斎」のほか、2「習作の時代」、3「宗理様式の時代」、4「読本挿絵の時代」、5「絵手本の時代」、6「錦絵の時代」、7「肉筆画の時代」と、年代ごとに6つに分けられており、それぞれの時代の代表作の実物大高精細レプリカとエピソードとともに、北斎の生涯をたどることができるようになっています。

最新技術で楽しめる北斎作品

注目すべきは最新技術で学べる北斎の名作の数々。作品と共に配された高精度モニターでは作品の制作背景やシーンの説明を、錦絵の細部まで拡大しながら見ることができます。また、展示室中央にはタッチパネルモニタで『北斎漫画』などを楽しめる「北斎絵手本大図鑑」、錦絵制作の工程を映像とともに紹介するコーナーもあり、浮世絵に親しみのない人も楽しみながら鑑賞できます。

中には等身大の動く北斎が配されたアトリエの再現模型も展示されており、見どころ満載。北斎ファンはもちろん、そうでない人も北斎の魅了を体感できる空間となっています。浅草や両国からも徒歩圏なので、東東京に来た際は是非訪れてみてくださいね。

すみだ北斎美術館

開館時間:9:30~17:30(最終入館17:00)
休館日:月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始
利用料金:常設展 一般400円(団体320円)、高校生・大学生・専門学校生・65歳以上300円(団体240円)、
未就学児童・小学生・中学生 無料、一般団体料金864円(15名以上)
企画展 企画により異なる
URL:http://hokusai-museum.jp/
住所:〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7番2号

千華

広告代理店営業から転身した新人インテリアデザイナー。横浜出身渋谷区在住のミレニアル世代の一人っ子。母方は佐渡島の系譜。趣味は料理とはしご酒。

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