偶数年であるミラノサローネ2018はキッチン見本市「EuroCucina(エウロクッチーナ)」!
今年ミラノサローネ2018は偶数年のため、2年毎に開かれるキッチンの見本市「EuroCucina(エウロクッチーナ)」が開催。4つのパビリオンを使って開催され、世界各国から111のブランドが出展した。
ラグジュアリーなキッチンのデザイン
普段目にすることのないキッチンのインテリアデザインを見られるのが、ミラノサローネの良いところ。日本では通常取り扱うのが稀な、ラグジュアリーなデザインのキッチンは見ていて楽しいだろう。
テーブルトップに大胆に石材を使って彫刻のようなスタイルにするデザインがあったり、全体的にダークな色合いでライティングを際立たせたりと手法も様々。インテリアデザイナーのようなプロの方も一般の方も見ているだけで楽しめるだろう。
料理番組のようなデモンストレーションが多数
主にElectroluxやMiele、BOCSHのような家電ブランドのブースでは、その技術力をアピールするためにプロの料理家を招いてデモンストレーションを行なっている。さながら料理番組の収録のような雰囲気が漂う。タイミングが良いと試食も可能だ。
Mieleでは、自身の商品のアピールのため、コーヒーを配布。長蛇の列を作って観衆を集めていた。
EuroCucinaは、少し電機量販店の家電コーナーのような雰囲気になっているので、そういった空間が好きな人は非常に楽しめる場所だろう(笑)
カウンターやワークテーブル付きのキッチン
今回のEuroCucinaでよく見受けられたのが、カウンターやワークテーブルが付随したキッチンではないだろうか。作業台としてのキッチンの他に使い方が自由なスペースを設けて、機能的な場所や人の集まる空間を作り出しているようだ。
そのデザインも様々で四角や丸、流線形など様々。また、中華テーブルのように回転する面があるテーブルも見られた。
アウトドア用のキッチン
アウトドア用のキッチンを出展しているブランドもあった。住宅の庭はもちろんグランピングや外遊びのための空間にもぴったりなのではないだろうか。
AIを搭載したりIoT化したりするキッチンアイテム
2年前と大きく変わったのは、デザインの進歩というよりもAIを搭載したりIoT化したりと技術的な進歩をアピールするブランドが多かった。ElectroluxではAIを搭載して、個人の好みを学習するというオーブンがあった。
冷蔵庫の中身を全て把握し、スマートフォンなどで確認できるという冷蔵庫も。
韓国のSAMSUNGも最新のテクノロジーを駆使したプロダクトを多数展示していた。
フードが一体化したコンロ
今回のミラノサローネに置いて、目新しいという訳ではないが、BORAのダウンフロー換気システムは日本では目にすることのないフードが一体化したコンロなので非常にユニークに感じてしまう。BORAだけではないが、このようなダウンフロー換気システムであれば、フードの存在感がなくなり、キッチンの空間がよりミニマルに収まるのではないだろうか。
このシステムで料理のデモンストレーションも行われているので、実際の使用する様子がわかりやすい。というよりワザと煙が出やすい料理をすることでシズル感も出ているので美味しそう(笑)
ミラノサローネアワードを初受賞したサンワのキッチン
ITなど技術的なバックグランドを駆使したキッチンアイテムが多い中で、デザインやそのユニークさで目を引いたのがサンワのコンパクトキッチンだろう。キッチンのデザインにミニマリズムを取り入れるだけでなく、キッチンの存在そのものがミニマルになり、洗練されたデザインで作られている。
これらのアイテムでサンワは、日本企業として初めて第3回ミラノサローネ国際家具見本市アワードを受賞した。8種類用意されたこれらの新作は、小屋や平屋などミニマルな空間を意識してデザインされた優れたアイテムだと言える。
昨年の照明・ライティングの見本市「Euroluce(エウロルーチェ)」と比べて、キッチンということもあり、照明のようにコンセプチャルな展示というよりは、非常に具体的な提案が多いのが「EuroCucina(エウロクッチーナ)」だろう。
また来年は照明・ライティングの見本市「Euroluce(エウロルーチェ)」となるが今から楽しみでもある。