白州の地で300年近く日本酒「七賢」を醸し続ける山梨銘醸が初の宿泊施設「宿場esoto」を開業!
南アルプスを源とする清らかな伏流水が流れる山梨県・白州の地。その水が生み出す酒を300年近く醸し続けてきた山梨銘醸・七賢が、2026年6月1日、初の宿泊施設「宿場esoto(しゅくば えそと)」を開業します。明治40年(1907年)頃に建てられた蔵元の分家屋敷を丁寧に再生した、1日1組限定の一棟貸し宿です。酒造りを育んできた土地の哲学が、そのまま滞在体験へと結晶した場所が、ここに誕生しました。
「水が醸す土地」に宿が生まれた理由

七賢を擁する山梨銘醸の創業は1750年。以来、南アルプス・白州の地で日本酒を醸し続けてきたこの蔵元にとって、水とはただの原料ではありません。「Water is our essence(水は私たちの本質である)」という哲学のもと、白州の清らかな地下水は事業の根幹であり、この土地の風土そのものとして大切にされてきました。

山梨銘醸・七賢

1750年、初代・北原伊兵衛が旅の途中で白州の銘水に出会い、この地に創業。山梨県北杜市白州に蔵を構え、甲斐駒ヶ岳の雪解け水と地元産の米を用いた日本酒を醸造している。1880年には、明治天皇の巡幸の折に行在所に指定された蔵としても知られる。
代表銘柄は「七賢」。近年はスパークリング日本酒や長期熟成酒にも注力し、国内外で高い評価を得ており、2025年には世界最大級の酒類コンペティションIWC(International Wine Challenge)にて最高賞“チャンピオン・サケ”を受賞。現在は13代目・北原対馬が蔵元を務め、伝統と革新を融合させた酒造りを進め、白州の豊かな自然と清冽な水を生かし、持続可能な酒造りを通じて地域と世界を結ぶ新たな価値を追求している。
URL:https://www.sake-shichiken.co.jp/
「esoto」という名に込めた思想

さらに「esoto」には、ブランドが持つ大切なエッセンスに新しい創造を加えて「外(そと)」に飛び出し、世界に新しい扉を開くという意志も込められています。300年近くこの土地で酒を醸し続けてきた蔵元が、宿泊という新しい器に自分たちの哲学を注ぎ込む——その決断そのものが、「esoto」という言葉に宿っています。
江戸の記憶が息づく、明治の屋敷を再生した空間


1日1組限定、一棟貸しという形態も、この思想の延長線上にあります。その日この場にいるのは、たった一組だけ。この場所のすべてを、ただその人たちのために開く——そこには、量より質を、広さより深さを重んじる醸造家の美学が貫かれています。
五感を満たす四つの体験
美食——土地のテロワールと醸造が出会う食卓

滞在の中心に据えられているのは、地元の豊かな食材と伝統の醸造技術が交差する食体験です。専用ダイニングで供される料理は、山梨のテロワールを体現する素材と、蔵元ならではの日本酒が丁寧にペアリングされています。酒を楽しむのではなく、この土地を食べる——そのような体験がここにあります。
酒蔵と水——「EXCLUSIVE SAKE EXPERIENCE」

酒蔵発祥の宿だからこそ実現できる、特別な酒蔵体験です。日本酒を味わうだけでなく、酒蔵の歴史と醸造の背景を間近に感じることができます。さらに、白州の水源地へと赴く体験プログラムでは、南アルプスの大自然の中で清らかな水が生まれる営みを五感で感じることができます。七賢の酒がなぜこれほど清冽なのか、その答えを水源に探す体験は、この宿でしか得られないものです。
湯と茶——静の時間

良質な白州の水を湛えた別棟の蔵風呂で、静かに体をほぐす時間。そして茶席では、この土地の空気とともに一服を。日常の喧騒から切り離され、深い休息へと身をゆだねる——蔵という特別な空間の中に設けられた風呂は、単なる入浴体験を超えた、建築と水の体験です。
土地との対話——白州という場所に在ること

台ケ原宿の歴史を刻む旧街道の空気、南アルプスから流れ込む水の気配、そして300年近く醸造を続けてきた蔵元の気配。これらすべてが重なるこの場所に在ることそのものが、宿場esotoの体験の核心です。何かをすることより、ここに在ること——それがこの宿の本質的な提案です。
地域の記憶と未来をつなぐ、新しい宿場のかたち
山梨銘醸が宿泊事業に踏み出す背景には、地域経済の活性化と、日本の食文化・伝統的な暮らしの美学を国際的に発信したいという思いがあります。酒造りを通じて長年この土地と向き合い、地域と共に歩んできた蔵元だからこそ、訪れる人と地域をつなぐ新しいビジネスモデルとして宿泊施設という選択が生まれました。
江戸時代に旅人が行き交った甲州街道の宿場町に、再び人の流れを生み出す拠点として。300年近く白州の水と向き合い続けてきた醸造家の視点で、土地の豊かさを余すことなく伝える場所として——「宿場esoto」は、古くて新しい宿場として、台ケ原宿の地に静かに扉を開きます。
宿場esoto
URL:https://www.sake-shichiken.co.jp/information/1rpi86lw5n
住所:山梨県北杜市白州町台ケ原2291