建築家が手がけた、ジャパンディライクなインテリアも美しい、緑に囲まれた環境にある平屋の住まい

「緑に囲まれた環境にある平屋」は、建築家が手がけたロの字型の平屋住宅。この住まいには、フランス語で「優しい」「穏やかな」を意味する「doux(ドゥー)」という愛称がつけられています。ベージュのアースカラーの外壁と豊かな植栽が調和し、その名の通り柔らかな印象を与える外観が印象的です。自然との共生をテーマに設計された空間は、穏やかで快適な日常をかたちにしています。

中庭を中心に配置されたロの字型の平屋

建物は中庭を囲むように配置されたロの字型の平屋で、建築正面には壁を設けず、上部に庇のように左右のボリュームを繋げることで、中心にある中庭が主役となったファサードを形成しています。

駐車スペースは広めに確保され、急な来客にも対応できる余裕のある設計です。

また、建物左手前には木製のルーバーが設置されており、外部からの視線を適度に遮ることで、プライバシー性と開放感のバランスがとれた設計に。ルーバー内側の空間は家族用の駐車スペース兼プレイスペースとして活用され、日常にも遊び心を感じられる場となっています。

アースカラーと植栽が織りなす優しい佇まい

中庭の左手奥には玄関扉が設けられ、外壁のベージュとのコントラストをなすグレージュの扉がさりげないアクセントを加えています。

中庭とつながる開放的な空間

その扉を開けると、視界の先には住まいの中心となるL字型のLDK空間が広がります。

玄関脇には天井まで高さのある造作のシューズクローゼットを設置。来客動線も暮らしの導線もすっきり保つことができ、空間全体に清潔感が漂います。

このLDKの最大の特徴は、どこにいても中庭の自然が感じられる設計にあります。

中庭に面した開口部が大きく取られており、陽の光が室内をやさしく包み込みます。

床には間接照明を組み込み、夜には足元にほのかな灯りが灯るなど、時間帯ごとに表情を変える仕掛けも。

内部空間全体は天井を外に向かって緩やかに傾斜させることで、視線の抜けを確保し、実際の広さ以上の開放感が演出されています。

玄関扉正面に配されたリビングスペースは、高窓から注がれる自然光によって明るく、穏やかな雰囲気に包まれています。

造作のベンチソファが備えられ、空間に程よい重心を与えると同時に、くつろぎの時間を提供。壁掛けテレビにより床面はすっきりと保たれ、視覚的にも広がりのある構成になっています。

家族が自然と集まり、ゆったりとした時間を過ごせる、心地よさに満ちたリビングです。

コンパクトながら心地の良いダイニングスペース

リビングからはフラットにつながるダイニングスペースへと視線が延びます。

大きな窓から柔らかな光が差し込むこの空間には、キッチンカウンターに直付けされたダイニングテーブルが設えられ、限られた空間を有効に活用しています。

テーブル上には線状のペンダントライトがすっきりとした印象を添え、洗練された空間を演出。窓の外に広がる中庭の景色を眺めながら、食事の時間も心地よいひとときとなるよう設計されています。

自然と調和した開放的な住空間

建築家の高い設計力と美意識が細部にまで感じられる「緑に囲まれた環境にある平屋」。中庭を中心に配置されたロの字型の平屋は、外部からの視線を遮りながらも、自然光と風を取り込む設計で、日々の暮らしに豊かさと落ち着きをもたらします。外観からLDK、中庭に至るまで、機能性とデザイン性が見事に調和した空間構成が、住まいの質を大きく引き上げています。

後編:建築家の設計能力が光る、機能性と快適性を兼ね備えた緑に囲まれた環境にある平屋(7月8日 公開予定)