新潟県上越市高田にある建築家・原広司の住宅作品「北川邸」が宿泊施設「浮遊のいえ」として2月1日にグランドオープン
建築家・原広司が設計した住宅作品「北川邸」が、宿泊施設「浮遊のいえ」として2月1日にグランドオープンします。豪雪地域である新潟県上越市高田の風土に合わせて設計された「北川邸」は、雪の重みに耐える構造や、冬の寒さをしのぐための工夫が随所に凝らされています。宿泊者は、この特別な空間で、原広司の建築思想に触れながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
建築家・原広司の住宅作品「北川邸」とは?
北川邸は、1970年代には世界の集落の建築調査を行い、梅田スカイビルや札幌ドームを手掛け、先日亡くなった建築家・原広司が豪雪地帯として知られる新潟県上越市高田に設計した住宅作品です。この住宅は、高田の厳しい気候風土に合わせた合理的な設計がなされている点が大きな特徴です。
まず、多雪地域に対応するため、雪の重みに耐える強固な構造が採用されています。また、道路側には伝統的な「雁木」が付加されており、雪国での生活に配慮した設計となっています。平面計画は、伝統的な町家の構成を踏襲しながらも、現代的な要素が取り入れられています。
長い冬の日々を快適に過ごせるよう、室内は明るく開放的な空間となっています。さらに、雪の光に対応した不定形の装飾が壁面や天井などに施されており、雪の吸音性を考慮した空間設計もなされています。これにより、住居内は独特の空間状態を生み出しています。
北川邸は、伝統的な要素と現代的な要素を融合させながら、豪雪地域の風土に合わせた合理的な設計がなされた住宅作品として、高い評価を受けています。
原広司による名作住宅が宿泊施設「浮遊のいえ」として継承
新潟県上越市高田に、著名な建築家・原広司が設計した住宅作品「北川邸」が、この度宿泊施設「浮遊のいえ」として生まれ変わり、2月1日にグランドオープンを迎えます。
「北川邸」は、原広司が義父母のために設計した住宅であり、その建築には、豪雪地域である上越市高田の風土と、そこに暮らす人々の生活に寄り添う原広司の思想が色濃く反映されています。この貴重な建築遺産を、より多くの方に体験していただきたいという思いから、「浮遊のいえ」は誕生しました。宿泊施設として活用することで、建物の維持・保全を図りながら、その価値を次世代へと継承していくことを目指しています。
浮遊のいえ管理人-久野遼
1996年生まれ・28歳・東京出身。東京大学工学系研究科建築学専攻修了(修士)。学生時代に上越市高田にて雁木町家の活用の提案を行ったことをきっかけに2024年12月に移住。事業を通じて上越市の地域活性化に取り組んでまいります。
学生時代よりご縁のあった上越市において、旧北川邸の活用を模索する話を伺い、このたび移住を決意いたしました。より多くの方々にお越しいただけるような場所として運営していきます。
雁木のまち再生
失われ行く雪国独特の「雁木町家」と「町家の生活文化」を100年後まで残し、越後高田の街ににぎわいを取り戻す目的で活動している団体です。空き家に灯がともり、人が出入りするだけで街にぬくもりが戻ります。移住・起業のお手伝いもしています。
空き家になっていた「北川邸」を紹介され、保存の必要があると思いながらも活用のイメージが浮かばなかったところにタイミング良く久野さんが現れ、「浮遊のいえ」が誕生しました。建築当時の姿がそのまま保存されている貴重な建築遺産に包まれてみて下さい。
文化的な資産を次世代へ継承するサステナブルな取り組み
「浮遊のいえ」は、文化的な資産である「北川邸」を、経済的にサステナブルな形で次世代に継承していくための、重要な取り組みでもあります。伝統的な雁木町家の保存・利活用を行うまちづくり団体・雁木のまち再生が不動産を取得し、「浮遊のいえ」が賃借するスキームで運営されます。このような取り組みを通して、「浮遊のいえ」は、地域の活性化にも貢献していくことを目指しています。
2月5日には関係者・メディア向けの内覧会を開催
グランドオープンに先駆け、2月5日には、プロジェクト関係者とメディア関係者を対象とした内覧会が開催されます。内覧会では、「浮遊のいえ」の内部を実際に見学できるほか、プロジェクトの関係者から、建築のコンセプトや、今後の展望について話を聞くことができます。
メディア向けの内覧会
■日程:2月5日(水)13:00〜16:00
■場所:浮遊のいえ
■参加:事前予約制
■お申し込み方法:下記応募フォームから
https://forms.gle/3hcVUoDESH5U7gDy6
建築家・原広司の思想が息づく「北川邸」での宿泊体験
「浮遊のいえ」は、建築家・原広司の思想が息づく貴重な建築作品「北川邸」を体験できる、特別な宿泊施設です。豪雪地域・上越市高田の風土に合わせて設計された「北川邸」は、雪国での快適な暮らしを追求した、原広司の建築哲学が凝縮されています。宿泊者は、このユニークな空間で、ゆったりとした時間を過ごしながら、地域の文化や歴史に触れることができます。「浮遊のいえ」は、建築ファンだけでなく、地域文化に関心のある方にもおすすめの施設です。ぜひ一度、訪れてみてください。
Instagram:@floatinghouse_joetsu