プリツカー賞受賞建築家・槇文彦の代表作!東京・青山の「スパイラル」で生活とアートの融合を体験する

東京で最もファッショナブルだと言われる青山通り沿いに、日本のポスト・モダン建築の代表の一つと言われている「スパイラル」があります。槇文彦によって設計された「スパイラル」の中はカフェやギャラリー、レストランなど、1985年オープン当時から現在に至るまで多目的なスペースとして使用されています。

「スパイラル」の名前の通り、特徴的な螺旋状スロープ

スパイラル
当時のワコール代表取締役だった塚本能交が「スパイラル」の名付け親です。

「スパイラル」は、もともと下着ブランドのワコールが生活とアートの融合をめざすために作った建築で、カフェやレストラン、ギャラリーや多目的ホール、会員制クラブなど多種多様なスペースがある複合文化施設です。

スパイラル
槇文彦は虫が日光を求めるように人々が自然にこのギャラリーに導かれることを意図して設計しました。

約40年前の開業から変わらないコンセプトとなっており、開業当時は複合施設の先駆けとして大変珍しい建築でした。

スパイラル
このスパイラルホールではアーティストが展覧会を開催し、ダンサーによるダンスパフォーマンスが行われます。

1階の店舗・カフェを通過するとその奥には天空光で明るいギャラリーと、この「スパイラル」の名前の由来となった螺旋状スロープが姿を現します。

スパイラル
2階にはスパイラルマーケットがあります。

上昇している感覚をなるべく強く出したいと考えられた建物で、この螺旋状スロープが建物全体に力強い躍動感を与えました。

スパイラル
スパイラルマーケット

「スパイラル」は、当時の高さ制限では正面から奥に20m進むと奥の方は最高20m程度と、正面とは同じ高さで建てられない事情があったので奥に天井の高いギャラリーが作られたのは非常に理にかなった設計といえます。

心地よく孤独を過ごせる場所、エスプラナード

スパイラル
孤独をエンジョイできる場所として、いくつかの椅子が置かれました。

入口から2階にある「スパイラルホール」と3階の多目的ホールのホワイエをつなぐエスプラナードは青山通りを見下ろせるガラスの壁面になっており、この約40年間店舗の改廃が激しい中、「スパイラル」の中で一度も変わらない唯一の場所です。

スパイラル
エスプラナードへ続く階段。

幅が5mもある大きな階段なので、このエスプラナードでもギャラリーやイベント会場としても使用されています。

スパイラル
青山通り沿いに設置された椅子。座る人は何を考えているのでしょうか。

また、エスプラナードに置かれているいくつかの黒い椅子には必ず誰かが腰かけています。とある人は読書をし、とある人は青山通りを見ながら物思いにふけています。エスプラナードはこの喧騒な都会の中で孤独を楽しめる貴重な場所の一つかもしれません。

都会の文化発信と静寂の融合の地

流行を求めてスパイラルホールやエスプラナードでのイベントや展示会に。都会の中の静けさを求めてエスプラナードの椅子に腰かけたり、5階にある空中庭園で一息ついたり。約40年前開業の複合施設とは思えないほどの活気に溢れた場所「スパイラル」で刺激と安らぎを求めるのも良いかもしれません。

スパイラル

住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
電話番号:03-3498-1171
営業時間:11:00~23:00(曜日・店舗による)
URL:https://www.spiral.co.jp/