世界的建築家・安藤忠雄の設計でより人が集う場として生まれ変わった「十和田市民図書館」

建築家・安藤忠雄の設計により、市民図書館と教育研修センターの複合施設である「十和田市教育プラザ」として、2015年1月にリニューアルオープンした「十和田市民図書館」。面積も従来の図書館に比べて2倍となり、十和田市民はもちろん、観光客も訪れるようになり、人が集う公共施設に生まれ変わりました。

コミュニケーションを生み出す建築としての図書館

十和田市民図書館

「十和田市民図書館」は、”これからの地方都市の最重要課題は人材育成”という信念のもと、十和田の美しい自然と調和する新しい教育の場を目指して建てられました。

十和田市民図書館

この建築の顔とも呼べるのが、施設内に5つ設けられたサンルームです。三角屋根は採光部になっていて、降り注ぐ自然光がコンクリートの壁面を照らします。多様な用途に対応できるこの空間によって、さまざまな人々が出会い、コミュニケーションを始めるきっかけを生み出すこと、人と人との交流によって新たな情報が生み出される場になることが期待されています。

安藤忠雄の提案する”考える力”や”尊重しあう心”を養う建築

十和田市民図書館

この空間には、世代、立場、考え方などを超えた交流や対話により生まれる、気づきや感動こそが、これからの時代に必要な、”考える力”や”尊重しあう心”を養う糧となるという安藤忠雄の想いが込められています。本の情報だけでなく、このような活字にならない情報が図書館に保管されていくことがねらいとして設計されているのです。

十和田市民図書館

例えば、子供たちの読書会、地域住民の集会、あるいはアーティストによるワークショップなど、多様なイベントが開催される場として活用されています。

十和田の街に馴染み市民に愛される建築

十和田市民図書館

また、大きなガラス窓は道路側にもあります。通常であれば、隠したい道路を風景とみなし、道路側からも図書館内の様子を感じ取れるようになっています。桜が並ぶ官庁街通りは”日本の道百選”のひとつとして有名です。また敷地内には、樹齢100年の桜の樹が2本ありその樹を移動させずに、中庭の中央に桜の樹が見えるようにする設計されています。図書館の中には桜並木を眺めながら読書ができる長いカウンターテーブルもあり、桜満開の時期の景色は圧巻です。

多くの人々に感動と学びを与える「十和田市民図書館」

十和田市民図書館は、建築家・安藤忠雄の設計思想と、地域の特性が見事に融合した、魅力的な図書館建築です。自然光が降り注ぐ開放的な空間、そして人とのつながりを大切にする理念は、多くの人々に感動と学びを与えています。

また、青森県十和田市には、安藤忠雄による「十和田市教育プラザ」の他にも、西沢立衛が設計し、大人気スポットとなった「十和田市現代美術館」、そして隈研吾により設計された、交流施設である、「十和田市民交流プラザトワーレ」が相次いでオープンしています。人口6万人余りの地方都市に、世界的建築家3人の作品が密集しているとはなんとも豪華です。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

十和田市民図書館

開館時間:9:00~20:00
休館日 : 毎月第4木曜日、年末年始、蔵書点検期間
URL : http://www.towada-lib.jp/index.html
所在地:〒034-0081 青森県十和田市西十三番町2-18  
アクセス:JR「七戸十和田駅」より車で約25分。