山形県にある日本を代表する有名建築家の作品8選!坂茂のスイデンテラスや隈研吾の藤屋旅館まで
東北地方の日本海側に位置し、県土の75%が山地の山形県。さくらんぼや米沢牛、お酒やワインなどの飲食も有名で、「食の宝」とも言われています。さらに立石寺や上杉博物館、土門拳記念館など、歴史や文化を深く知ることができる観光スポットや施設が数多いことも特徴です。
そんな山形県には、SANAAが手掛けた鶴岡市文化会館や、隈研吾の藤屋旅館など有名建築家が手掛けた美しい建築作品がたくさん。今回は山形県にある有名建築家の作品を8カ所ご紹介します。
1.複雑な形をした屋根が特徴的な「鶴岡市文化会館・荘銀タクト鶴岡」
鶴岡市文化会館(荘銀タクト鶴岡)は、建築家の妹島和世と西沢立衛によって結成された建築家ユニット「SANAA」によって手掛けられた山形県鶴岡市の多目的ホール施設です。
特徴はいくつもの複雑な形をした屋根が積み上がっているような外観をしていること。周辺の街並みに馴染むように、中央のフライタワーから外周に向かって低くなっていき、道路沿いでは平屋程度の高さになるように工夫されました。
館内は、ホールを回廊空間で包む「鞘堂形式」を採用しており、回廊は日常的に開放されているため、市民との交流や様々な場面で活用できるようにされています。
鶴岡市文化会館・荘銀タクト鶴岡
住所:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町11−61
電話番号:0235245188
HP:https://tact-tsuruoka.jp/
2.谷口吉生設計の周囲の自然と調和した「土門拳記念館」
日本初の写真専門の美術館として開館し、写真家・土門拳の写真作品を所蔵・研究・展示するための酒田市立の美術館「土門拳記念館」。
山形県酒田市の飯森山公園の中にあり、低層で周囲の自然と調和した美術館は、建築家・谷口吉生によって設計されました。
建物の目の前には人工池が配置されており、アプローチ正面部分には中庭が。この中庭と池をつなぐことによって、建物内部からも自然との一体感を感じることができます。吉田五十八賞や日本芸術院賞を受賞した作品です。
土門拳記念館/谷口吉生
住所:〒998-0055 山形県酒田市飯森山2丁目13
電話番号:0234310028
HP:http://www.domonken-kinenkan.jp/
3.水田に浮かぶように建てられたホテル「スイデンテラス」
「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE(ショウナイ ホテル スイデン テラス)」は、プリツカー賞も受賞した世界的建築家・坂茂が設計しました。
どこに身を置いても田んぼの気配を感じられるデザインが特徴的で、水田に浮かぶように建てられた木造2階建ての美しい建物は、周囲の自然に馴染み、自然と共に寛ぐことが可能です。
館内はガラス張りが特徴の共用棟を中心に、宿泊棟やスパ・フィットネス棟が配置されておりシンプルで居心地のよい空間となっています。
スイデンテラス
住所:〒997-0053 山形県鶴岡市北京田下鳥ノ巣23−1
電話番号:0235257424
HP:https://suiden-terrasse.com/
4.隈研吾設計の老舗旅館をリノベーションした「銀山温泉・藤屋旅館」
山形県尾花沢市にある「銀座旅館・藤屋旅館」は大正時代に建てられた老舗旅館をリノベーションした木造4階建ての温泉旅館です。
建築家の隈研吾氏が設計を担当し、和とモダンを融合させたような旅館となっており圧倒的存在感を放っています。3タイプのお部屋が全部で8部屋あり、アジア・デザイン・アワードを受賞している旅館です。
内装はディテールとアングルにこだわった空間で、「スムシコ」と呼ばれる繊細なスクリーンと4mmの巾の竹を用いたヴェールダルトを新たに導入することで、洗練された繊細な空間を作り出しています。
銀山温泉・藤屋旅館
住所:〒999-4333 山形県尾花沢市銀山新畑443
電話番号:0237282141
HP:http://www.fujiya-ginzan.com/
5.パラグライダーをモチーフにしたファサードが特徴的な「JR赤湯駅」
JR東日本・山形鉄道の駅である「JR赤湯駅」は、山形新幹線開業に合わせて作られた駅舎で、建築家・鈴木エドワードが設計しました。
特徴は、パラグライダーをモチーフにしたファサード。湾曲するアーチ形状は外部にある柱によって支えられているため、建物内部は柱が全く無い構造です。そして、内部はガラスを多用した開放的な空間となっています。
そしてこの「JR赤湯駅」は公共建築賞優秀賞やグッドデザイン賞など、多くの賞を受賞している駅舎です。
JR赤湯駅
住所:〒999-2241 山形県南陽市郡山
6.自然とアートが溶け合った明るい空間の「酒田市美術館」
山形県酒田市にある「酒田市美術館」は鳥海山、最上川、酒田市街地を一望できる広大な敷地の上に立てられました。建築家の池原義郎が設計を担当し、建物は中庭を囲むようにコの字型に分散配置されています。
そして、館内は敷地を一周するように、回遊的な動線設計が行われていることも印象的です。ガラス張りの空間なので、どこにいても自然光が差し込むため自然とアートが溶け合った明るい空間となっています。
公共建築賞やBCS賞を受賞している建築物で、庭には私の安田侃の白い大理石の彫刻が設置されています。
酒田市美術館
住所:〒998-0055 山形県酒田市飯森山3丁目17−95
電話番号:0234310095
HP:0234310095
7.三日月型のガラス張りの外壁が特徴的な「最上川ふるさと総合公園センターハウス」
山形県寒河江市にある「最上川ふるさと総合公園センターハウス」は、三日月型のガラス張りの外壁が特徴的です。
建築家・内藤廣氏が設計しており、このセンターハウスは、公園の管理や展望、研修、休憩などの機能を有するシンボルタワー的存在で市民に親しまれています。
壁から屋根までガラスを採用することによって、自然光や外気をふんだんに取り入れながらどこからでも公園を見渡せるようにと工夫されました。
最上川ふるさと総合公園センターハウス
住所:〒991-0041 山形県寒河江市寒河江山西1269
電話番号:0237835195
HP:http://m-furusato.sakura.ne.jp/
8.明るく開放感のある小沢明が手掛けた「鶴岡アートフォーラム」
鶴岡市にある鶴岡公園内にある芸術文化施設の「鶴岡アートフォーラム」は、建築家・小沢明によって手掛けられました。市民が創作した作品などの展示や、特別展覧会、ワークショップなども実施されています。
建物はガラスのカーテンウォールによって構成されており、内部からも外部からも様子を見ることができ、公園との繋がりを感じることができる建物です。
内部は天井高で、1階展示室の外側には吹き抜けのエクステンションギャラリーがあることで、明るく開放感を感じることができます。
鶴岡アートフォーラム
住所:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町13−3
電話番号:0235290260
HP:https://www.t-artforum.net/
山形県にある日本を代表する有名建築家の作品8選!
山形県には、日本を代表する建築家の坂茂や隈研吾など、有名建築家が設計した作品が数多く存在しています。中でも、山形県の建築物は、自然環境や周辺環境との調和を目指して作られているものが多いことが印象的で、建築巡りを楽しむのにもおすすめなエリアです。