オスカー・ニーマイヤーやリナ・ボ・バルディなど！ブラジル・サンパウロにあるダイナミックで個性的な建築5選

ブラジルの経済都市、サンパウロ。地球の裏側に位置するこの街には、ダイナミックで個性的な建築が集まる。その発端とも言える建築家オスカー・ニーマイヤーやリナ・ボ・バルディを筆頭に、様々な建築家が作り出した作品は、どれも壮大で圧巻だ。日本では中々体験できないダイナミックな建築の数々は、どのように街と人々と関わり、存在しているのだろうか？

リナ・ボ・バルディが手がけた、宙に浮く建築「サンパウロ美術館」

ブラジルで初めての現代美術館として1947年にオープンしたサンパウロ美術館、通称「MASP」。ここは、ブラジルを代表する女性建築家「リナ・ボ・バルディ」によるものだ。

リナが創り出すモダニズム建築の特徴は「イタリアの繊細な近代建築」に「ブラジルの赤土や藁などの要素」を融合させ、力強さの中にもチャーミングさや優しさを引き立てたデザインにある。

MASPからも、彼女らしい独特なデザイン性を感じさせながらも、ブラジルらしいダイナミックなその外観は赤く塗られた巨大な柱と梁によって「宙に浮く」ことで街と建築が一体なっている。

Museu de Arte de São Paulo Assis Chateaubriand (MASP) – サンパウロ美術館

開館時間：10:00~18:00
休館日：月曜日
入館料：R$ 35
URL : http://masp.art.br

住所：Av. Paulista, 1578 – Bela Vista, São Paulo – SP, 01310-200 Brasil

リナ・ボ・バルディによる「sesc ポンペイア文化スポーツセンター」

リナ・ボ・バルディの建築の中でも、MASPと並んで傑作と言える「sesc ポンペイア文化スポーツセンター」。壁に配置された赤い雲型窓が可愛らしいデザインが印象的だ。この雲型窓はガラスではなく、格子をはめた「穴」になっており、この穴の構造によって自然換気を促している。

建築全体は塔のような２つ建築を、不規則に架けられた橋によって繋げている。

Centro de Lazer Fábrica da Pompéia – sesc ポンペイア文化スポーツセンター

開館時間：9:00~22:00
休館日：月曜日
URL : https://www.sescsp.org.br/unidades/11_POMPEIA/
住所：R. Clélia, 93 – Água Branca, São Paulo – SP, 05042-000 Brasil

日系人建築家ルイ・オオタケによる「ホテル・ユニーク」

まるでアートオヴジェのような外観が印象的な「ホテル・ユニーク」は、ブラジルに帰化した美術家・大竹富江氏の長男「ルイ・オオタケ」によって手がけられた、名前通りユニークな形のブティックホテルだ。彼は、青山にあるブラジル大使館も設計している。

ブラジルらしいダイナミックな建築の中でも一際目を引く外観は、円弧を途中で切って屋上を作った形状と、銅と丸いガラス窓が鮮やかに光に照らされた表面のデザインが煌びやかに映える。

高さ85メートルをも持つホテル・ユニークの客室からは、サンパウロの街並を一望できるという。

Hotel Unique – ホテルユニーク

住所：Av. Brigadeiro Luís Antônio, 4700 – Jardim Paulista, São Paulo – SP, 01402-002 Brasil

オスカー・ニーマイヤーの建築が立ち並ぶ市民のための公園「イビラプエラ公園」

ブラジル出身の建築家巨匠「オスカー・ニーマイヤー」。世界遺産都市「ブラジリア」を担当したことでも有名で、「ブラジルといえばオスカー・ニーマイヤー」といわれるほど、この国を代用する著名建築家である。

彼の創り出す建築の特徴は、美しい曲線の設計とダイナミックで独創的なデザインだろう。

「イビラプエラ公園」には、オスカー・ニーマイヤーの建築が立ち並びながらも、市民の生活に溶け込んでいる環境が広がる。彼らしい「自由な曲線」で描かれた空間デザインや、ユニークな建築を贅沢に体験できる名スポットだ。

Parque Ibirapuera – イビラプエラ公園

開館時間：5:00~24:00

ダイナミックなオスカー・ニーマイヤーの建築が観られる「ラテンアメリカ記念公園」

「ラテンアメリカ記念公園」もオスカー・ニーマイヤーの建築が数多く集まる。さらには「イビラプエラ公園」に集まるオスカー建築よりもダイナミックだ。

1989年3月18日に開園したラテンアメリカ記念公園は、84,480㎡の公園敷地内にある全ての建築物を彼が手掛ける。

敷地全体はコンクリートで舗装され、さっぱりとした空間にオスカー独特の巨大異形建物が点在。敷地内には、緑もベンチも水飲み場なく、まるで未来都市のような雰囲気が圧巻だ。

Memorial da América Latina – ラテンアメリカ記念公園

開館時間：9:00~18:00
休館日：月曜日
住所：Av. Auro Soares de Moura Andrade, 664 – Barra Funda, São Paulo – SP, 01156-001 Brasil

ダイナミックで個性的な建築が広がる都市サンパウロ

ブラジル・サンパウロは、オスカー・ニーマイヤーの建築を贅沢に体験できるだけでなく、彼を筆頭に「ブラジルらしいダイナミックな造形」に通ずる様々な有名建築家による世界が広がる。

日本の裏側に位置し、文化や地形、環境など大きく異なる国だからこそ、我々には非現実的でありながらも、新鮮に建築の在り方を学べる場所こそ、サンパウロという街なのかもしれない。